ほ場整備の推進と農地の利用集積について

【平成29年8月22日ラジオ放送】

担当者:福島県農林水産部農村基盤整備課 副主査 三浦 寛子
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「ほ場整備の推進と農地の利用集積」について、福島県農林水産部 農村基盤整備課 三浦寛子さんにお話しを伺います。よろしくお願いします。

担当者

おはようございます。よろしくお願いします。

司会者

まず、はじめに、ほ場整備とはどんなことをするのか教えてください。

担当者

はい。ほ場整備とは、農地の区画を大きくすることに併せて、水路や農道を整備することをいいます。
例えば、水田や畑の区画が小さいと、小型の機械しか入らないですし、形の悪い農地ですと、機械作業で同じところを何度も作業せざるを得ないなど、作業効率が悪く、生産性が上がりません。
そのような農地にほ場整備を行うことによって、大きく、利用しやすい形に整形し、生産性を高めることができます。
また、農地と一緒に水路や農道を整備することにより、水管理の手間が軽減されたり、農地までのアクセスが良くなるなど様々なメリットがあります。

司会者

生産性が上がるだけでなく、農作業がしやすい環境になることは嬉しいですね。

担当者

はい。近年では農業従事者の高齢化も進んでいますが、ほ場整備を行うことによって、水管理が楽になったなど、農作業の省力化が図られて地元の方に喜ばれています。
また、農業従事者の高齢化や後継者の不足から農地を貸したいという方も増えておりますので、ほ場整備を契機に農地中間管理機構を介した農地の賃貸借、いわゆる「農地の利用集積」を促進する動きも見られます。

司会者

様々なメリットがありそうですが、ほ場整備というのは、どのような流れで行っていくのでしょうか。

担当者

はい。一般的に、ほ場整備は土地改良法という法律に基づいて事業を進めるのですが、事業を行うに当たっては、ハード事業とソフト事業を一体として計画しなければなりません。
まず、ハード事業とは、主にほ場整備の工事に係る事業のことで、県が行う場合は、受益面積20ha以上などの要件があります。
次に、ソフト事業とは、主に農家の方や土地改良区などを支援するための事業で、ある一定規模以上の面積や地区内農地の集積率を向上させたりするなど、様々な要件を充たすことが必要です。
このような事から、お一人の農地だけではほ場整備を実施することは困難ですので、土地所有者や耕作者の方などを含めた地域のみなさんで話し合い、どのエリアでほ場整備を行うのか、ほ場整備を行った後の地域の将来像をどうするのか、などを検討し、皆さんのまとまった意見をもって、各市町村または土地改良区へ要望してください。
その後、市町村と県の調整、県と国の調整がなされた後に、ほ場整備を実施出来るようになります。
一般的に要望から工事着手されるまでスムーズにいって4年程度の期間がかかります。

司会者

個人の方の農地を公共工事で整備する訳ですから、要望の内容に対し、いろいろな確認や手続を行ったりするとその程度の時間を要するということですね。そのほか、ほ場整備の要望を行う際に注意事項はありますか。

担当者

はい。ほ場整備事業は公共工事ではありますが、工事に必要な事業費の一部を農家の方に負担してもらうことになります。地域の話し合いの際には、そこまで考慮して話し合いを行うことが大事です。

司会者

なるほど、わかりました。ところで、先ほど、説明の中で「農地の利用集積」という言葉が出てきましたが、「農地の利用集積」とは何ですか。

担当者はい。「農地の利用集積」とは、簡単に言えば、地域の担い手の方に農地を集めて耕作してもらうことです。
この方法としては、担い手の方の所有地の外、賃貸借や農作業の請負があります。
農地の集積を図るうえで大切なことは、ある程度まとまった団地を形成することです。
せっかく担い手に農地を集めても、点在した農地では、ほ場間の移動や農地の管理に時間が掛かり、効率が悪くなるからです。
農地を集積し、団地化することによって、農業の経営規模を拡大し、ほ場整備後に生産性のよい農地で農業をすることができるようになります。

司会者担い手の方にとっては農地の集積が進めば、経営規模が大きく、生産性のよい農地で営農することによって、安定した農業経営をすることが出来るのですね。ところで、どのようにして集積の話を進めるのですか。

担当者先ほど、ほ場整備を行うには、地域の方の話し合いによって、自分の農業経営をどのように行っていくか、地域農業の将来をどのようにするかなどを考えていく必要があると説明しましたが、その過程で、農地を貸したいという方や、農地を借りたいという方のマッチングについても話題にあがるので農地の利用集積が進みやすいという特徴があります。

司会者農地を貸したり、借りたりというお話がありましたが、個人個人で貸し借りするのですか。

担当者そのような方法もありますが、平成26年度から始まった農地中間管理事業を活用する方法もあります。
この農地中間管理事業による農地の貸し借りは、ほ場整備を行っていなくても実施することができます。
手数料がかかりますが、農地を貸す方、借りる方の両方にそれぞれメリットがあります。

司会者

どんなメリットがあるのでしょうか。

担当者農地を借りる方のメリットとしては、長期の借入れによって安定した営農が可能となりますし、各土地所有者への賃借料の支払は機構がまとめて行いますので、賃借料精算の手間が軽減されるというメリットがあります。
また、農地を貸す方のメリットとしては、一定の要件を満たせば、協力金の交付を受けられたり、固定資産税の軽減措置が受けられるなどのメリットがあります。
興味のある方は福島県農業振興公社 電話番号024-521-9845または各市町村の農政担当課へお問合せください。

司会者わかりました。ほ場整備を行うことによって、整備工事を行うだけでなく、その後の営農についてもいろいろな制度があることがわかりました。
農家の皆さんがこれらの制度を活用して、福島県の農業がさらに活性化すれば良いなと思います。
今朝は、「ほ場整備の推進と農地の利用集積」について、福島県農林水産部農村基盤整備課の三浦寛子さんにお話を伺いました。