「土地改良区体制強化基本計画の策定」について

【平成30年2月27日ラジオ放送】

担当者:福島県土地改良事業団体連合会総務企画部企画指導課 課長 菊地 勇一
司会者:RFCアナウンサー

司会者

おはようございます。「農家の皆さん」の時間です。
今朝の土地連だよりは、水土里ネット福島 総務企画部 企画指導課長 菊地勇一さんにお伺いします。 菊地さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

今朝のお話は、「土地改良区体制強化基本計画の策定」について、お伺いします。
初めに、「土地改良区体制強化基本計画」とはどのようなものか、お話をいただけますか。

担当者

はい。
まず、作成の目的ですが、土地改良区自らが 将来のあり方を検討し、中長期的な計画を作成して、毎年、5年から10年先の姿を視野に入れながら、業務にあたることと、将来の姿を組合員に示すということにあります。
近年土地改良区は、農業・農村の構造の変化に伴い、地域の農業者、特に担い手の期待に応えられず、十分な機能を果たし得なくなることが想定されています。
このような状況にあって、土地改良区は、公法人としての説明責任や組合員のコスト意識の高まり等に対応するため、組織運営基盤の強化を図る必要があります。
また、計画的かつ効率的な施設の補修・更新などの技術向上等により事業実施体制の強化も図る必要があります。
このため、土地改良区の組織運営基盤や事業実施体制の強化に向け、今後5年ないし10年程度の中長期的対応方針である「土地改良区体制強化基本計画」の作成を土地改良区自らが行う取組を、国では平成27年度から推進しています。
本県では昨年、作成に係る説明会が県内土地改良区を参集し、開催されております。

司会者

次に、「土地改良区体制強化基本計画」のどのような内容になっているのか、説明下さい。

担当者

「体制強化基本計画」の内容ですが、策定される項目は、概ね次の6つの事項があります。
一つ目は、土地改良区の概要
二つ目は、施設管理強化に関する事項。
三つ目は、財務管理強化に関する事項。
四つ目は、受益農地管理強化に関する事項。
五つめは、統合整備強化に関する事項。
六つ目は、研修・人材育成に関する事項となります。
それ以外に必要な事項があれば、追加事項として策定します。
但し、「体制強化基本計画」では、これら事項をすべて策定する必要はありませんので、各土地改良区の実情に即した項目のみの計画を作成していただいて構いません。

司会者土地改良区は、自らが組織の現状を把握し、強化を必要とする課題について整理をし、それに向けた計画を作成する取組をしていくということですね。
しかし、せっかく土地改良区が「体制強化基本計画」を作成しても計画通りに進まなければ、意味はありませんね。

担当者

はい、その通りです。
そのためには、土地改良区の組織運営基盤や事業実施体制の強化に向けて、作成された「体制強化基本計画」を基に土地改良区、国、県等の行政並びに私共土地改良連合会、また地域等が一体となって土地改良区を支援していく必要があります。
たとえば、次世代を担う役職員や組合員の研修会への対応、また土地改良区運営並びに会計経理や施設維持管理に対する指導・助言、合併など統合整備の検討、効果的な支援事業の提案や検討、地域との保全活動への支援など、様々な支援が考えられます。
これまで、国及び県は土地改良区の指導監督業務として指導・援助を行い、私共土地改良連合会は会員である土地改良区へ技術的な指導・援助を行ってきました。
今後も、土地改良区が作成した「体制強化基本計画」が、「絵に描いたもち」になってしまわないよう、より一層の支援に勤めて参ります。

司会者

最後に、「体制強化基本計画」の策定にあたって、留意点について、教えて下さい。

担当者

はい、策定にあたっての留意点として、6つ申し上げます。
一つ目は、先程も申し上げた通り、すべての内容について策定しなくてもよいので、各土地改良区が強化を必要とする課題に対して、実状に即した実行性のある計画でよい、ということです。
二つ目は、様式について特に定めてはおりませんので、独自の様式や既存資料を活用するのも可能です。
三つ目は、「体制強化基本計画」の作成は、義務づけがされているわけではありません。
また、補助事業の採択要件にも、なってはおりませんし、計画を達成できない場合でもペナルティはありません。
しかしながら、各種事業並びに制度等を活用する際には、事業実施の必要性が裏付けとして求められることから、「体制強化基本計画」の作成が必須である、と考えます。
四つ目は、計画を5~10年単位で策定しますが、その後は、計画期間中に見直しがあれば、必要に応じ随時行っていきます。
五つ目は、「体制強化基本計画」が改良区自らのための計画であることから、作成は自助努力であり、作成に要する経費の補助制度はありません。
六つ目、策定した計画は、県への報告が必要となります。
但し、県が審査を行ったり、認可・承認をするわけではありません。
これらのことを踏まえ、未だ、「土地改良区体制強化基本計画」の作成に着手されていない土地改良区さんには、一日も早く、組織運営基盤や事業実施体制の強化に向けて、作成の取り組みをしていただけますよう、お願いいたします。

司会者

今朝は、ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、「土地改良区体制強化基本計画の策定」について、お話しを伺いました。