「水土里情報利活用促進事業」について

【平成20年3月26日ラジオ放送】

担当者:福島県土地改良事業団体連合会 総務企画部 企画指導課 課長 谷 孝樹
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「水土里情報利活用促進事業について」お話しをうかがいたいと思います。お話しは水土里ネット福島 総務企画部企画指導課長 谷 孝樹さんにおうかがいします。

司会者

本日のテーマであります「水土里情報利活用促進事業」について簡単にご説明くださいますか。

担当者

水土里情報利活用促進事業、ひとことで言うとGISという仕組みを作る事業です。
この事業は、国の補助を受け平成18年度から22年度までの5年間の事業です。
まず、GISとはなにかを簡単にご説明しますと、GISとは、Geographical Information Systemsの略で、日本語では、一般的に地理情報システムと呼んでいます。
位置や場所から様々な情報を統合したり、分析したり、分かりやすく地図に表現したりする仕組みです。
この仕組みを農業分野で活用できないか。とういことからスタートしました。

司会者

もう少し分かりやすくお話し願えればと思いますが。

担当者

身近な例では、自動車のカーナビゲーション:地図と情報が結びついています。
それから、最近よく使われる情報としては、インターネット上の地図 Google map、Google earthに代表されるように、位置と情報が結びついているものと思っていただければ、わかりやすいと思います。
GISの大きな特徴として、大きく3つあげることができますが、
一として、情報整理の高度化・情報検索の迅速化
二として、情報共有・相互利用
三として、視覚的な表示・分析(航空写真も)が可能となります。

司会者

先ほど「GISという仕組みを農業分野に活用できないか」とおっしゃっていましたがどのようなことですか。

担当者

近年の農業・農村を取り巻く情勢は大きく変化しております。
例えば、農業就業者の減少と高齢化の進行、それに伴う耕作放棄地の増大、逆に規模拡大を目指す経営者、それから、農業水利施設においては、耐用年数を迎えるものの増大など、当然何らかの対策を講じる必要があります。
ほうっておけば、農業農村の荒廃につながり、地域保全上、環境保全上、災害が起こりやすくなったり、福島県の農業の衰退につながったり、美しい景観が失われたり、生態系が崩れたり、農業農村に限らず荒廃が進みます。
耕作放棄地の問題を例として考えてみれば、いままでは、地図は、紙のものしかありませんでした。これを、現地へ持参して状況を確認して地図へ記入する方法をとっていました。
それを持ち帰って、地図に書いてある大字名・小字名・地番などを元に今度は農地基本台帳などと突き合わせて面積・耕作者を特定する作業が、必要でした。
そういった作業を繰り返して、初めて耕作放棄地の現状をとらえることが、可能となります。
これをGIS化すると作業は、次のように変わります。
まず、図面は紙からデータ化されます。
したがって、パソコンの画面で地図をクリックすれば、その田んぼ、畑の面積、耕作者が表示されます。また、場所の特定ができないときは、電子化された台帳の方から、場所の特定が可能となります。
また、背景図として航空写真をおいておくこともできますので、最新の写真であれば現地にいかなくても状況をつかむことも可能となります。

司会者

なぜ、そういったことが可能になるのですか。

担当者

はい。なぜそういうことが可能になるかと申しますと、簡単にいえば地図と台帳が1対1で結びついているからです。先ほど申しあげましたように、地図から台帳へ、また台帳から地図へとどちらからも情報を表示することが、可能となります。
情報が1対1で結びついていますので、パソコンの画面から、検索・集計・地図を条件分けして色をつけるなどのこともできるようになります。
こういったように、状況をパソコンの画面で一目でわかることが、一番の利点です。
そのような面で、GISは、有効な道具であると言えます。

司会者

どのようなところがGISを利用するのでしょうか。

担当者

利用するのは農業に関わる機関・団体の皆様ということになります。
今回目指しているGISは、Web GISで、水土里ネット福島に大きなサーバーを置いて、インターネット環境さえあれば、ID・パスワードにより自分のエリアにアクセスしてもらい利用することになります。

司会者

利用される機関・団体さんのメリットは具体的にどのようになりますか。

担当者

一つは、GISという仕組みを作る費用、そして、運営管理する費用が安価であるということです。
また、運用を考えると、システム・ソフト・機械の管理・人材確保、の面で機関・団体さんが皆様で負担することになるので、1機関で構築・運用の場合と比較すると、かなりの費用軽減となります。
それから、データ・地図などの管理・更新には、技術的にハイレベルな人材の確保が必要となりますが、それもいりません。
以上経費の軽減もありますが、現在、農業情勢に限らず、社会情勢は、スピードをもって変化しております。
また、各機関・団体さんの業務体制のスリム化、業務の効率化が叫ばれております。
このような時代こそ、GISを活用して、迅速に、的確に、タイムリーに各種方策を立てていただきたいと思っております。

司会者

最後に「水土里情報利活用促進事業」の取組の課題はございますか。

担当者

課題というよりも検討事項ですが、次のものがあげられます。
それは、
一つは、「どんなところに利活用するのか」
二つは、「どんな情報が共有できるのか」
三つは、「共有するには、どのようなルールを作ればいいのか」
四つは、「個人情報を保護するにはどのような方法にするべきか」
五つは、「情報の管理・更新するには、どのようにするのか」

また、次年度より「農地政策の展開方向について」によって農地情報を一元管理するデータベース化の促進、また、それによる情報によって農地の面的集積の促進が急がれています。
したがって、当水土里ネット福島としましては、地域の農業振興に役立つ道具として、早急なる構築に向け邁進していきたいと思っております。
そして、ご協力をお願いしているところです。

司会者

GISという仕組みを、つくることにより、農業に関わる機関団体の農業振興に対する大きな道具となって、農業の振興に役立ち、ひいては、私たちの「食の安全安心」「豊かな自然を守ったり」「洪水などの災害から地域を守ったり」することになるのでしょうね。

担当者

はい、そうです。

司会者

今朝は、ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、「水土里情報利活用促進事業…農地GIS」について、お話しを伺いました。