「ふるさと地域力発掘支援モデル事業」について

EIMY湯本地域協議会

【平成22年1月20日ラジオ放送】

担当者:EIMY湯本地域協議会
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
けさの土地連だよりは、「ふるさと地域力発掘支援モデル事業」について紹介します。
お話は、天栄村の活動組織、EIMY湯本地域協議会さんにお伺いします。
はじめに、ふるさと地域力発掘支援モデル事業とはどのような内容でしょうか。

担当者

この事業では農山漁村を「ふるさと」と読んでいます。いま、この「ふるさと」は、いろんな場所で、だんだんと元気がなくなってきていますね。若者が都会に行ってしまって高齢化が進んで、代々続いてきた田畑が維持できなくなったり、お祭りや伝統技術がうまく伝わらなくなってしまっています。
ですが、「ふるさと」の持つ伝統や人々のあたたかさ、新鮮な農作物、豊かな自然環境などは、都会にはない「ふるさと」の魅力であり、資源だと思います。
そこで、「ふるさと」の持つこうしたさまざまな資源、いわば「地域力」ですね。これをうまく活用して、持続可能で活力ある「ふるさと」を実現していく。これを支援する、というのが、今回の「ふるさと地域力発掘支援モデル事業」です。

司会者

もう少し具体的に教えてください。

担当者

わたしたちの協議会は、EIMY湯本地域協議会といいます。EIMYとは、Energy In My Yardの頭文字をとったもので、その地域にあるさまざまな資源を最大限つかって、地域を豊かにしていこう、という考え方です。このEIMY湯本地域協議会では、これまで天栄村湯本地域にはどんな資源があるか、調べてきました。その結果、新鮮な農作物はもちろんのこと、岩瀬湯本温泉と二岐温泉という2つの温泉、ブナの原生林から湧き出る天然水や、昔は炭焼きをおこなっていたナラの林。ホタルが飛び交い、ドジョウやタニシの住む田んぼなどの豊かな自然環境ですとか、歴史のある神社、仏閣、古民家、昔ながらのお祭りやどんど焼き、百万遍などの年中行事ですね。さらに炭焼きや蓑、つまり昔の雨具ですね、こういったものを作る伝統技術。まだまだあります。観光ガイドにはほとんど載っていない、幻の滝ですとか、昔トロッコが走っていた鉄道の跡もあります。それから、いつもご近所を気遣ったり、助け合ったりする人のあたたかさ。こうしたさまざまな資源が湯本地域にはある、ということがわかってきました。
こうして「再発見」した「資源」を活用するために、「ふるさとづくり計画」を作ります。この計画にそって活動をして、毎年その結果を自分たちで評価します。将来的には事業終了後も続けて活動ができるよう、見直しが必要であれば計画を修正しながら、活動をつづけていきます。

司会者

それでは、協議会が取り組む地域の課題について教えてください。

担当者

天栄村湯本地区は、役場などがある村の中心部から分水嶺の峠を越えた標高700メートル前後の山間地です。おもに自給的な農業と、地区内にあるリゾート施設で働いている人が多く、景気に左右されやすい経済的環境です。また少子高齢化が進んでいて、代々受け継がれてきた棚田に手が回らなくなってしまったり、山に入ることが少なくなったために、ナラなどの木が年老いて、森を若返らせようにも限界が近づいてきています。また、お祭りや年中行事もだんだんと縮小傾向にあって、伝統文化の継承がむずかしくなってきています。
2つある温泉地も、近年の景気低迷や、ほかの地域の大型保養施設などにお客をとられるかたちで、昔ほどの活気がなくなってきてしまっています。

司会者

「ふるさとづくり計画」についてお聞きします。

担当者

わたしたちのEIMY湯本地域協議会では、さきほどいったような地域にある資源をうまく活用する方法として、地域全体を、「地域まるごと博物館」として活性化して、ここを訪れた人にカルチャーショックを与えるような、「なつかしい未来」が見える、豊かな地域づくりを目指しました。
湯本地域にはむかしから、「きもち、金持ち」ということばがあります。これは、民家の軒先に薪がたくさん積みあがったようすをあらわしたことばで、「薪がたくさんあると、きもちも豊かになる」という意味があります。最近、二酸化炭素排出量の削減効果が高いということで薪ストーブの利用が見直されていますが、この薪ストーブを切り口にして森を若返らせ、森の恵みをいただく、という活動を展開していきます。
また、同じように森林の資源を活用した事業ですと、キノコの原木栽培ですとか、木炭の生産、植物を使った民具づくりなどのたくみの技の保存。伝統的な狩猟方法でもある「うさぎ追い」の実施など、森の恵みをうまく活用した都市と農村との交流につなげていきたいと考えています。
こうしたさまざまな事業を通して、個性的で魅力のある風景づくりを進めて、地域住民にとってもやりがいをもってもらい、ほんとうの意味での地域の豊かさというものを、具現化していければ、と思っています。

司会者

今後の課題についてお伺いします。

担当者

さきほど申し上げたように、湯本地域の資源というものは、とても多岐にわたるものです。これらの地域資源をうまく活用していくには、地域住民の方々の協力が不可欠となってきます。そのため、EIMY湯本地域協議会では、各集落の行事に参加したり、住民の無料の交流スペースである「えんがわ喫茶」を展開するなど、地域コミュニティへの参加を強く意識してきました。住民の方々のご協力を得たり、ふるさとづくりにやりがいを感じてもらうためには、こうした地道な努力と、長い時間が必要です。
ですが、去年おこなわれた行政刷新会議の「事業仕分け」とその後の経緯から、来年度以降のこの事業の展望は明るいものとはいえません。地域活性化というのはとても時間と根気のいるものであることをご理解いただき、何らかの形で今後もご支援いただけないものかと思っております。

司会者

ありがとうございました。
けさの土地連だよりは、ふるさと地域力発掘支援モデル事業について、EIMY湯本地域協議会さんにお話を伺いました。