「農業用水水源地域保全対策事業」について

【平成24年3月27日ラジオ放送】

担当者:伊達西根堰土地改良区 事務局長 石川 博利
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、『農業用水水源地域保全対策事業』の取り組みについて、ご紹介します。お話は、水土里ネット西根堰(みどりネットにしねせき)の事務局長、石川博利さんにお伺いします。
石川さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

はじめに、農業用水水源地域保全対策事業とは、どのような内容なのかお伺いします。

担当者

はい、この事業は、豊かな田園を潤す農業用水は、豊かな森林から生まれることから、農業用水の安定的な供給と国土の保全、そして京都議定書森林吸収目標達成に向けた、森林整備の推進を目的としています。
そのため、農業用水と水源林の関わりについて、また水源地域を取り巻く現状や課題について、水の恩恵を受けている農業者や地域住民の理解を深めるための普及推進活動を実施するソフト事業として、県内では、土地改良区や福島県が事業主体として事業に取り組んでいます。

司会者

水土里ネット西根堰では、具体的にどのような取り組みを行っているんですか。

担当者

はい、水土里ネット西根堰は、ダムや用水路等の農業用施設の維持管理を行っています。この用水路が「西根堰」ですが、一部は、隧道(ずいどう)といって、トンネルになっています。西根堰の歴史は古く、江戸時代初期に造られ、その後約390年間、多くの人の手で維持管理され現在に至っています。西根堰の用水により、本地域の農業や産業が大きく発展し、その歴史は小学校の学習にも取り入れられ、施設の見学にも利用されています。

司会者

「西根堰」は、大変歴史のある施設ですね。

担当者

はい、「西根堰」はその歴史や役割、土木技術の高さから、平成22年に、社団法人土木学会の選奨土木遺産に認定されました。
そこで小学生や一般の方々に「農業用水と水源林の関わりや、水源林の保全」について、理解していただくため「西根堰の隧道探検」を実施しました。

司会者

「隧道探検」とはおもしろそうですね。

担当者

はい、農業用水や水源林は一般の方々には馴染みが薄いことから、体験をとおして、楽しさの中から理解してもらおうと考えて実施しました。
隧道探検は、平成21年から実施していますが、隧道探検の場所は、西根堰の取水口からの直ぐの隧道で、幅2.4メートル、高さ2メートルと大きいため、平成21年はゴムボートで、平成22年はゴムボートと大きなタイヤチューブに乗って、隧道の中を探検しました。今年度は歩いての探検でしたが、夏は上流の隧道探検、冬には下流の自然のままの姿が残る隧道の見学会と2回実施しました。隧道の中は、真っ暗で、夏にはコウモリもたくさん飛んでいます。

司会者

コウモリがたくさん飛んでいて、参加者の皆さん、怖くは無いですか。

担当者

少しびっくりする方もいますが、皆さん楽しんでいました。そして、隧道探検に合わせて、農業用水の水質検査により、水のきれいさを目で確認する体験や、西根堰の歴史や役割の学習により、安定した農業用水を確保するためどんな苦労があったのか。また「森と水の大切なはたらき」について、資料による説明を行い、参加者の皆さんに水と水源林の関わりを再確認していただきました。

司会者

いろんな事が学べる「探検」ですね。

担当者

はい、また、用水路を管理していますと、空き缶や瓶等のゴミが捨てられていることもあります。そのため、「水を汚すのも人間、きれいな水を守ることも人間のすること」と説明しました。参加者のアンケートに「これから気を付けたい」とあり、私達の取り組みが理解されていることが、うれしく感じられました。

司会者

とても大切なことですね。

担当者

また、今年度は、桑折町の振興公社との共催事業として、「選奨土木遺産”西根堰”巡り健康ウォーク」を開催し、施設の見学や「森と水の大切なはたらき」の資料配付や説明を実施しました。この事業は、「ノルディックウォーキング」による健康づくりを、歴史的構造物である西根堰に沿ったコースを利用して行いました。
県内では、農業用水水源地域保全対策事業として、ウォーキングを実施していますが、健康増進やスポーツとしての開催は珍しい取り組みだと思います。ノルディックウォーキングは幅広い年齢層の参加が可能なため、県内外から高齢の方まで参加いただきました。
農業施設が色々なイベントに利用出来る事をあらためて認識しました。

司会者

事業を行うことで新たな発見があったわけですね。

担当者

はい。他の団体との交流も増えてきました。

司会者

水土里ネット西根堰では今後、どの様な取り組みを行って行くのでしょうか。

担当者

この事業は平成24年度までの事業となっており、24年度も「隧道探検」を実施する予定です。しかし、先ほど言いましたように「水を汚すのも人間、きれいな水を守ることも人間」ということは、継続することが大切な事だと思います。他の団体とも連携して、継続した取り組みをしていくことが、この事業の成果であると考えています。

司会者

ありがとうございました。今朝は、「水土里ネット西根堰」の石川博利さんにお話をお伺いしました。

担当者

ありがとうございました。