「平成26年度福島県の農業農村整備事業の概要」について
【平成26年5月22日ラジオ放送】
担当者:福島県農林水産部 農村計画課 主査 長岡 学
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「平成26年度福島県の農業農村整備事業の概要」について、
福島県農林水産部 農村計画課 長岡 学さんにお話しを伺います。
よろしくお願いします。
担当者
おはようございます。よろしくお願いします。
司会者
まず、はじめに、農業農村整備事業とはどのようなものなのか教えてください。
担当者
農業農村整備事業とは、以前「土地改良事業」と呼ばれていたもので、農業生産に必要な農業用水の確保や農地整備のほか、農村地域の汚水処理施設などの生活環境整備を行っています。
また、こうした整備事業を通して、農作物の生産性向上や農村生活環境の改善を図り、食料の安定供給と国土保全など多面的機能の発揮に寄与しています。
司会者
農業農村整備事業は、農村地域に必要な様々な事業を行っているのですね。
さて、平成23年の東日本大震災では、農村地域へも甚大な被害が発生しましたが、福島県では、どのように農業農村整備事業を進めてきたのでしょうか。
担当者
はい。東日本大震災と原子力災害により、本県農林水産業や農村をめぐる情勢は震災以前とは全く異なる状況に置かれています。
こうした状況の中、震災前の福島県農林水産業振興計画を見直し、昨年3月に新たに「ふくしま農林水産業新生プラン」を策定しました。
新計画では『“いのち”を支え 未来につなぐ 新生ふくしまの「食」と「ふるさと」』を基本目標に掲げ、子どもたちが担う将来の本県農林水産業のあるべき姿を描き、平成32年までの8年間において、重点的かつ戦略的に取組む施策の方向を示しました。
この計画には、7つの基本施策があり、その中で、農地・農業用施設の災害復旧を最優先事項として推進し、併せて通常の農業農村整備事業と災害に強い農村づくりも行っていくなど、今後の展開方向がまとめられています。
司会者
なるほど、新たな計画で、戦略的に復旧を進めるのですね。
災害復旧を含めて、こうした事業を進めるためには多くの予算が必要になると思いますが、平成26年度の予算の状況を教えてください。
担当者
はい。平成26年度の福島県の農業農村整備事業関係の当初予算として災害復旧事業に約112億円、それ以外の事業に約216億円を計上しています。
この予算は、震災前の平成22年度予算と比べて、約2.5倍の予算額となっています。
司会者
約2.5倍とは予算の増え方が、大きいですね。
このように一気に事業予算が増えたのでは、職員の皆さんは大変ですね。
地震・津波被害を受けた地方公共団体では、急激な復旧工事の増加へ対応する職員数が足りていないと聞きます。
福島県はどうなのでしょうか。
担当者
はい。福島県でも震災前までの行財政改革により職員を削減してきており、震災後は、農業土木技術職員を含めて職員が不足している状況となっています。
そこで、震災以降、継続して全国の道県から農業土木技術職員の支援派遣を受けて、相双農林事務所で災害復旧業務にあたっていただいており、今年度は北海道から沖縄まで、全国11道県から24名の支援を受けています。
また、今年度は農業土木職として、未来を担う10人の新規職員を採用しています。このうち、3名が相双農林事務所で業務にあたっています。
このほかにも、相双地方の市と町へは、農林水産省の全国の出先機関から農業土木技術職員を派遣してもらっています。
派遣職員の皆さんは、ふるさとを離れ、家族と離れて、不便な生活を送りながらも、福島県職員とともに懸命に災害復旧業務にあたっていただいております。
このように、全国から温かい支援をいただきながら、災害復旧や農業農村整備事業を進めています。
司会者
長期にわたって、こんなに多くの方が支援に来ていただけて、改めて全国からの支援に感動しました。
こうした支援をいただきながら、災害復旧を進めているとのことでしたが、今後の見通しはどうでしょうか。
担当者
基本的には、避難指示区域を除いた津波被災地を含めて平成28年度までに復旧を終えることを目標に、各市町村と連携を図りながら事業を進めていきます。
海岸堤防や排水機場などの復旧が進み、海からの守りが万全に近づいているため、今後は、堤防の内側に広がる農地など生産基盤の復興・整備を加速させていきたいと考えております。
一日でも早く、多くの地域で営農が再開されて、農村により多くの笑顔が戻るよう、私たちは「今日の努力は笑顔あふれる農空間復興のために」を合言葉に、懸命に復旧・復興事業を推進していきます。
司会者
ありがとうございました。
福島県に全国からの派遣されている皆様、私も県民のひとりとして感謝いたします。お体に気を付けながら、業務に取組んでいただければと思います。
今朝は、「平成26年度農業農村整備事業の概要」について、福島県農林水産部農村計画課の長岡学さんにお話を伺いました。