「水土里情報利活用促進事業」について
【平成19年3月27日ラジオ放送】
担当者:福島県土地改良事業団体連合会 総務企画部 企画指導課 課長 小林 剛
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「水土里情報利活用促進事業について」お話しをうかがいたいと思います。お話しは水土里(みどり)ネット福島 総務企画部企画指導課長 小林 剛(ごう)さんにおうかがいします。
司会者
本日のテーマであります「水土里情報利活用促進事業」について簡単にご説明くださいますか。
担当者
水土里情報利活用促進事業、ひとことで言うとGISという仕組みを作る事業です。
この事業は、国の補助を受け平成18年度から22年度までの5年間の事業です。
まず、GISとはなにかを簡単にご説明しますと、GISとは、Geographical Information Sysutemsの略で、文字や数字、画像などの情報を地図と結びつけて、コンピュータ上に再現し、位置や場所から様々な情報を統合したり、分析したり、 分かりやすく 地図に表現したりする仕組みです。
この仕組みを農業で活用できないか。とういことからスタートしました。
司会者
もう少し分かりやすくお話し願えればと思いますが。
担当者
身近な例では、自動車のナビゲーター:地図と情報が結びついています。
それから、日常生活で料理店などの「おいしい」という情報に加え「住所」といった位置に関する情報が入っています。GIS 地理情報システムともいいますが、そのような位置などが入った、たくさんの情報を分かりやすく、便利に扱えるような仕組み、道具と言えます。
GISの大きな特徴として、大きく3つあげることができますが、
一として、情報整理の高度化・情報検索の迅速化
二として、情報共有・相互利用
三として、視覚的な表示・分析(航空写真も) が可能となります。
司会者
先ほど「GISという仕組みを農業に活用できないか」とおっしゃっていましたがどのようなことですか。
担当者
近年の農業・農村を取り巻く情勢は大きく変化しております。
例えば、農業就業者の減少と高齢化の進行、それに伴う耕作放棄地の増大、逆に規模拡大を目指す経営者、それから、農業水利施設においては、耐用年数を迎えるものの増大など、当然何らかの対策を講じる必要があります。
ほっておけば、農業農村の荒廃につながり、地域保全上、環境保全上、災害が起こりやすくなったり、福島県の農業の衰退につながったり、美しい景観が失われたり、生態系が崩れたり、農業農村に限らず荒廃が進みます。
そのためには、このような情報をGIS化することにより、先に述べた農業情勢の変化に対応した方策を検討・計画するなど。が、できるようになります。そのような面で、GISは、有効な道具であると言えます。
司会者
どのようなところが利用するのでしょうか。
担当者
利用するのは農業に関わる機関・団体の皆様ということになりますが、
現在、GISをどう構築していくか、活用していくかなど、水土里ネット福島内に活用推進協議会を設置し、国・県・市町村・水土里ネット・農業会議、 JAさん、NOSAIさん、農業振興公社さん、学識経験者として福島大学の助教授をメンバーに、調査研究・協議をいただいているところです。
今回目指しているGISは、WebGISで、水土里ネット福島に大きなサーバーを置いて、インターネット環境さえあれば、ID・パスワードにより自分のエリアにアクセスしてもらい利用することになります。
このことを踏まえて、検討を頂いております。
司会者
利用される機関・団体さんのメリットは具体的にどのようになりますか。
担当者
一つは、GISという仕組みを作る費用、そして、運営管理する費用が安価であるということです。
先ほどお話ししたように、Web GISの構築は、国の補助を受けて行いますので、利用する方々は、初期投資として、システム構築費、大きなサーバー、地図の作成費等、1機関で構築しようとすると膨大な投資が必要ですが、それがいりません。
また、運用を考えると、システム・ソフト・機械の管理・人材確保、の面で機関・団体さんが皆様で負担することになるので、1機関で構築・運用の場合と比較すると、かなりの費用軽減となります。
それから、データ・地図などの管理・更新には、技術的にハイレベルな人材の確保が必要となりますが、それもいりません。
以上経費の軽減もありますが、現在、農業情勢に限らず、社会情勢は、スピードをもって変化しております。
また、各機関・団体さんの業務体制のスリム化、業務の効率化が叫ばれております。
このような時代こそ、GISを活用して、迅速に、的確に、タイムリーに各種方策を立てていただきたいと思っております。
当水土里ネット福島としましては、地域の農業振興に役立つ道具として、早急なる構築に向け邁進していきたいと思っております。そして、ご協力をお願いしているところです。
司会者
最後に「水土里情報利活用促進事業」の取組の課題はございますか。
担当者
課題というよりも検討事項ですが、今後も協議会で協議して頂くこととしております。
それは、
一つは、「どんなところに利活用するのか」
二つは、「どんな情報が共有できるのか」
三つは、「共有するには、どのようなルールを作ればいいのか」
四つは、「個人情報を保護するにはどのような方法にするべきか」
五つは、「情報の管理・更新するには、どのようにするのか」
などを検討、協議して頂くこととしております。
司会者
GISという仕組みを、つくることにより、農業に関わる機関団体の農業振興に対する大きな道具となって、農業の振興に役立ち、ひいては、私たちの「食の安全安心」「豊かな自然を守ったり」「洪水などの災害から地域を守ったり」することになるのでしょうね。
担当者
はい、そうです。
司会者
今朝は、ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、「水土里情報利活用促進事業…農地GIS」について、お話しを伺いました。