新たな施設管理システムについて
【平成19年4月12日ラジオ放送】
担当者:福島県土地改良事業団体連合会 環境整備部 企画専門員 坂内 隆芳
司会者:RFCアナウンサー
司会者
おはようございます。農家の皆さんへの時間です。
今朝は「土地連だより」をお送りします。
お話は福島県土地改良事業団体連合会 環境整備部 企画専門員の坂内隆芳さんに「新たな施設管理システム」についてお話を伺います。
坂内さんおはようございます。
担当者
おはようございます。
司会者
はじめに「新たな施設管理システム」の導入についてお聞かせ下さい。
担当者
土地改良施設の多様化、大型化、高度化に伴って、技術的に煩雑な管理操作が要求されものが増大し、これらの問題に対処するため、土地改良施設の診断・管理指導を実施すると共に、平成18年5月に「福島県施設管理検討会」を設け、農業水利施設の長寿命化とライフサイクルコスト低減の観点から、水利施設の適切な保全管理と計画的な更新のための「新たな施設管理システム」の構築を進めることとしました。
本県には、基幹的な農業用の水利施設が約7,000施設、基幹的な農業用用排水路が約1,000キロメートルございます。
これらのほとんどは築造後30年以上経過しているため、老朽化が目立っています。
司会者
農業用の水利施設はたくさん作られているんですね。もう少し詳しくお聞かせ願えますか。
担当者
ダム・溜池で約3,000箇所・頭首工(川から水をとる施設)が約3,000箇所・揚排水機場が約400箇所で全体で約7,000箇所に達しております。
司会者
これらの施設が果たしている役割について教えてください。
担当者
ダム・溜池・頭首工・については水田や畑のかんがい用水を安定的に供給し、安定した農作物の栽培と収量を確保する役割を果たしております。
揚水機場につきましては、用水量が不足する地域にポンプを用いてかんがいしております。
排水機場につきましては、地形的に低い位置にあって、洪水時の排水能力が不足し、農地や宅地に冠水する地域を守る役割を果たしております。
司会者
今この時期に本システムを計画された理由を教えてください。
担当者
今までハード事業即ち施設を作ることに重点をおいて施策されてきましたが、作ることについては概ね目的を達成してきております。今後施設の老朽化に伴い維持補修の対策を講ずることが大変重要な問題となってくることから、施設の延命化と低コストでの維持補修及び保全計画の立案に欠かせない作業であることから、本システムを計画しているわけです。
司会者
このような施設は壊れてしまってからでは対応が遅いわけですね?
担当者
その通りです。
このような施設は壊れたからといってすぐに復旧できるものではありません。
復旧までにはお金もさることながら、長期の時間も必要で、この間の営農はできないことや、災害を防ぐことも出来なくなってしまいます。
司会者
まさに福島県の農業を守るシステムとなるわけですね。
担当者
はい。
福島県は農業県ですし、農業水利システムの機能が失われることは一時たりとも許される状況にはございません。
本システムを有効に活用し、安定的な水利用を確保することにより、本県の農業が将来に渡り、安定的な営農形態を守ることができると考えております。
司会者
本格的にはいつ頃から行われるのですか?
担当者
本年4月より行っています。
本システムでは毎年4月を一斉点検実施月間と位置付けており、既に一斉点検に入っております。この点検結果を分析し、今後の補修保全計画に結びつけ、効率的で低コストな維持補修保全計画を樹立し、計画的な施設の維持補修更には更新計画を建てたいと考えております。
司会者
大変重要なシステムであることは理解できました。
今後は本システムを通して他にどのような取組をお考えですか?
担当者
このような農業用水利施設は、農家の物だけではありません。今日のように農村集落の混住化が進み、農村に住宅団地が近接している時代では、施設や水質の確保に非農家の方々にも重要性を理解して頂くことが大切です。
そのため、21世紀土地改良区創造運動により、各地で農業用水利施設への理解を深めて頂くための各種イベントを開催しております。
ラジオをお聞きの皆様にも積極的に参加して頂き、施設の歴史的背景や、果たしている役割に対して理解を深めて頂きたいと考えております。
司会者
私たちも農業用水利施設への理解を深めることの必要性を理解できました。
今朝は「新たな施設管理システム」について、お話を伺いました。
本日はありがとうございました。
担当者
ありがとうございました。