平成19年度福島県の農業農村整備事業の概要について
【平成19年6月21日ラジオ放送】
担当者:福島県農林水産部(農村整備領域) 農村計画グループ 主任主査 森口 康弘
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、平成19年度福島県の農業農村整備事業の概要などについてご紹介します。
お話は、福島県農林水産部に勤務しております農村計画グループ主任主査の森口康弘さんにお伺いします。
まずはじめに、農林水産行政を進めるにあたって、農業農村整備事業の役割について、教えてください。
担当者
最初に、農林水産部の主な施策について、お話いたします。
農林水産部では、本県の農林水産業発展と豊かで住みよい農村を目指し、6つの目標を掲げています。
一つは、水田農業改革アクションプログラムに基づく、水田農業の改革です。
二つ目は、消費者の皆さんに信頼される農林水産業の確立です。三つ目は、農林水産業の強化です。四つ目は、環境と共生する農林水産業の推進です。五つ目として、地域の特色を生かした農山漁村の活性化です。そして六つ目の目標としては、安全で快適な県土の形成と豊かな森づくりの推進があります。
このような施策を推進する上で、公共事業であります農業農村整備事業は、[1]農業生産にとって重要な農業用水の確保や農地の整備などの生産基盤の整備、[2]さらには、農山村に住んでいる人たちが、安全で快適な生活ができるように、生活環境の整備などを実施しています。
司会者
農業農村整備事業は農業生産性の向上や農村生活環境の改善など農村地域に必要な様々な事業を行っているのですね。
ところで、本年度から農地・水・環境保全向上対策に係る活動を実施していると伺っていますが、その内容について教えてください。
担当者
農地や農業用水などの資源は、これまで、集落などの地域の皆さんによる共同活動により、保全や管理がなされてきました。これらの資源は、米や野菜を作る上でとても大切なものですが、農村の豊かな自然環境の保全や美しい景色を作り出すなど、大変大きな役割を果たしています。しかし、近年の農村地域では、高齢化や混住化、いわゆる農家の方だけでなく非農家の方も増えてきていますので、これまでのように地域で適切に保全や管理をすることが難しくなってきました。そこで、農地や農業用水などの大切な資源と農村環境を守るために、地域の皆さんが共同で行う活動を支援する事業として、「農地・水・環境保全向上対策」が今年度から実施されることになりました。地域の共同活動への支援や、さらには、化学肥料や農薬の使用を大幅に減らし、環境に優しい営農を実施する組織に対しても支援いたします。すでに、県内では35市町村において431組織が活発な活動を始めています。この対策の最終申込みが、本年8月末となっていますので、期限までにぜひ申し込んでいただきたいと思います。なお、疑問点がございましたら、市町村又は農林事務所農村整備部の窓口へご相談ください。
司会者
農業農村整備事業では「自然との共生」など21世紀にふさわしい、いろいろな取組をしているのですね。
ところで、平成19年度の農業農村整備事業の予算編成はどのような方針で行われたのですか。
担当者
平成19年度の農業農村整備事業は、先ほどお話ししました農林水産部の施策を実現させるために重点的に予算配分を行っています。
具体的には、[1]意欲ある新たな担い手の確保や担い手の経営安定の対策強化を目指して「ふくしま食・農再生戦略」を展開していますが、それらを推進する事業や、[2]「過疎・中山間地域対策」、「安全で安心なともに生きる社会の形成」及び「循環型社会の形成」などを重点事業と位置付けし、次の5つの事業に重点配分しています。一つ目は、かんがい排水事業です。
農業用水を安定供給するためのダムを建設したり、用排水路などを整備することにより水田農業の構造改革を推進します。
二つ目は、経営体育成基盤整備事業です。
意欲ある経営体いわゆる担い手の育成・確保をし、生産基盤の整備である、ほ場整備を行って品目横断的経営安定対策の対象となります「集落営農」を推進します。
三つ目は、中山間地域総合整備事業です。中山間地域の活性化は、県の重要な施策でありますが、生産基盤、生活環境基盤及び農村の活性化施設を整備することにより、豊かな自然環境を保全し都市との交流を促進する、魅力あふれる地域づくりを目指します。
四つ目は、農業集落排水事業です。
都市部に比べて遅れている生活排水処理施設の整備促進を図り、農村生活環境の改善を目指します。
最後の五つ目は、農地防災・保全事業です。くらしの安全・安心を確保するため、ため池など、危険性の高い箇所から計画的な整備を図っていきます。
司会者
平成19年度の農業農村整備事業の予算額はどのようになっているのでしょうか。
担当者
平成19年度の農業農村整備事業の予算額は、公共事業をとりまく経済的・社会的状況の変化や、国及び地方公共団体の財政が、依然として厳しい状況が続いている中で、農業農村整備事業全体で190億円程度確保されましたが、これは昨年度予算と比べ約16パーセントの減となっています。
司会者
平成18年度から5カ年間を「第二期集中改革期間」とする県の財政構造改革プログラムの推進期間中であり、やはり大変厳しい予算ということですね。
担当者
はい、そうです。
従いまして、これまで以上に事業の必要性、緊急性、効率性の観点から、一層の重点化、選別化を進める必要があります。今後とも、農林水産部の重要な施策を推進し、自分の住んでいる農村に誇りを持っていただけるように、農業・農村について県民の皆さんと共に考え、共に創っていきたいと考えています。今後と もどうぞよろしくお願いいたします。
司会者
ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、平成19年度福島県の農業農村整備事業の概要について、福島県農林水産部に勤務しております農村計画グル-プ主任主査の森口康弘さんにお話を伺いました。