「21世紀土地改良区創造運動」について

東根堰土改区

【平成19年7月24日ラジオ放送】

担当者:東根堰土地改良区 事務局長(水土里ネット東根堰) 石神 正雄
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、21世紀土地改良区創造運動についてをご紹介いたします。
お話は、愛称「水土里ネット東根堰」東根堰土地改良区の事務局長 石神正雄さんにお伺いします。
はじめにお伺いいたしますが、昨年、21世紀土地改良区創造運動大賞、地方選考委員会が開催されたとお聞きしましたが、その内容についてお話しいただきたいと思います。

担当者

21世紀土地改良区創造運動は、平成13年度より、土地改良区の果たしている役割や機能を、地域住民や県民の方々に、広く理解を図るため、管理をしている土地改良施設の築造に関わった先人の苦労話や、体験学習及び地域住民とのイベント、又は水利施設等の利用状況を広く県民等に紹介することにより、土地改良区の存在をPRすることが目的でありまして、全国各地のそれぞれの土地改良区で多様な取り組みがなされております。
こうしたなか、全国で模範となるような21世紀創造運動を展開している水土里ネットを表彰し、全国に紹介するとともに関係機関との情報交換、また、水土里ネット関係者の運動意欲の高揚と意識改革をすすめ、国民に運動の成果をアピールしていこうという運びとなったわけです。
平成18年度、21世紀創造運動大賞、地方選考委員会は、昨年の7月6日、午後1時30分、仙台市青葉区のKKRホテル仙台に於いて開催され、東北6県の8団体により創造運動の取り組みについて、それぞれ発表いたしました。
当水土里ネットの発表内容は、前回の「農家の皆さんへ」でお知らせした内容ですが、伊達市管内における小学校の総合学習での、土地改良施設の案内や歴史的背景を通して先人の偉業を伝えるとともに、施設の重要性を説明していることを発表しました。

司会者

子供たちは、東根堰について興味深いものは、何なのでしょうか。

担当者

子供たちにとっては、今から400年前の豊臣時代から徳川時代へと変わる年代で、どちらも戦国時代の名武将というのが興味を引くのではないでしょうか、又、水をどのようにして、どんな水路施設で引いてきたのかが興味があるようです。
それでは、少し、歴史的背景についてご照会いたします。
今から400年前の慶長3年に工事が始められた水路です。渡辺新左ヱ門、堀江輿五右衛門の両名が、当時の領主上杉侯の命により、広瀬川から取水する砂子堰疏水工事に着手、幾多の苦難の末、慶長9年、総延長16キロメートルの用水路を完成させました。これが後の世まで伝わる「伊達のさかさ水」と言われた水路であり、広瀬川から取水した砂子堰時代であります。
その後、江戸時代の末期には、広瀬川の水量では間に合わなくなり、明治維新の前後、2度に渡って阿武隈川より自然取り入れ工事が行われましたが、いずれも測量の技術不足から大失敗をしてしまいます。
その後、明治時代に入って、安積疏水の設計者で知られたオランダ人技術者、ファンドール氏の貴重な提言から、ポンプ揚水として計画し、現在の伊達市箱崎を起点に着工、上保原に至る7,500メートルの水路が完成し、その後30年間、砂子堰の足らない水量を補ってきました。
しかし、それでも、ポンプのトラブル等があって、用水確保に満足がいかず、水争いが絶えない状況でありました。
そこで、昭和初期、熊坂六郎兵衛とその長男、六太郎氏が(後の保原町長)親子二代にわたって、阿武隈川からの自然流下の方法による事業実現のため奔走し、漸く昭和10年5月、信夫発電所からの水利事業が採択され、同年着工の運びとなりました。
事業は幾多難航を極めましたが、昭和19年5月に見事に竣工し、東根郷の水不足は一挙に解決を見るに至り、総延長約27.6キロメートル、受益面積1,000ヘクタールに及ぶ耕地を潤しました。それぞれの時代の用水確保に、情熱をかたむけた先人の苦労が伺われます。

司会者

用水の確保に、大変なご苦労のあった歴史があるのですね。

担当者

はい、歴史も古く、興味を示すのですが、どんな水路があるのか、これも非常に興味があるようです。
東根堰の水路施設は、取水口の信夫発電所を始めに、隧道、円形分水施設、逆サイフォン水路橋などの日頃、あまり見られない施設の役割や重要性を子供たちに分かりやすく説明しています。こうした活動内容を発表してきました。
地方選考委員会での審査結果は、大小問わずそれぞれの土地改良区の活動が、積極的に実施されており、素晴らしいものがありました。
当水土里ネット東根堰は、大賞こそ、のがしましたが、「奨励賞」を受賞する事が出来ました。
これも組合員の皆様をはじめ、総代、役員のたゆまない努力があったことを感謝いたしております。
今後におきましても、引き続き実施して参りますが、子供たちだけではなく、地域の皆さんにも、土地改良区の役割や重要性を理解して頂くために、広報活動や農業イベント等への参加を積極的に取り組んで参りたいと考えております。

司会者

農家の皆さんだけではなく、地域全体のご理解も必要なんですね。
ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、21世紀土地改良区創造運動の取り組みについて、又今後の活動についてを含めて「水土里ネット東根堰」東根堰土地改良区の事務局長 石神さんにお話しを伺いました。石神さんありがとうございました。

担当者

ありがとうございました。