21世紀土地改良区創造運動の取組について

【平成26年7月29日ラジオ放送】

担当者:雄国山麓土地改良区 山口 享司
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
けさの土地連だよりは、21世紀 土地改良区創造運動の取組についてお話しをうかがいたいと思います。お話しは、雄国山麓土地改良区の山口享司さんです。
まずは、雄国山麓地区の概要を教えてください。

担当者

当地区は会津北西部の磐梯山より西に連なる雄国山の麓に広がり、眼下には会津北部一面を眺望できるという景観にある標高200メートルから550メートルに展開する中山間農村地帯であります。また雄国山の頂上一帯が国立公園と位置づけられておりニッコウキスゲやレンゲツツジが群生する雄国沼湿原はミニ尾瀬と称されることもあり、年間多数の観光客が訪れます。
このように自然環境豊かな農村地域でありますが、農地利用の困難さから国営事業にて農地造成、区画整理を行い、ダムをはじめとする土地改良施設の設置により昭和46年から22年の歳月を経て地域営農の環境が整備されました。

司会者

21世紀土地改良区創造運動とは何か教えてください。

担当者

21世紀土地改良区創造運動とは、これまで土地改良区、そして農家が維持管理を担ってきた農業水利施設ですが、その施設は農業のためだけでなく、様々な要素を含んだものであることを、農業に携わっていない大人から子供まで広く伝え、自分の住む地域のことをもっと知ってもらい一緒に守って頂きたく、その為の活動として取り組んでいます。

司会者

では雄国山麓地区ではどのような活動を行っているのか内容をお聞かせください。

担当者

主な取組として環境と地域の繋がりをコンセプトに活動を行っております。地域住民対象として活動を行い、近隣の小学校に通う生徒さんにも参加いただいておりましたが、当土地改良区はダムを所有しておりますが、自転車でも安易に行ける立地条件であり、またダムを囲む管理道路は市道として位置づけされていることから通勤通学はもちろん散歩コースとして利用があるなど、非常に人の大来があります。また経緯は不明確ですがダムにはブラックバス、ブルーギルなどといった外来魚が数多く生息しており、釣りをされる方も県内外から訪れます。このことからダム周辺には釣り糸や弁当屑、さらには家電製品の不法投棄で悩まされております。
では、このダムの水は一体何処へ流れているのでしょうか?田んぼや畑へ流れてその汚れた水で育つ作物が皆さんの口に入るのは気分のいいものではないはずです。恐らくこのダムは何のためにあるか知らない、興味がないことからゴミの散乱にも気がつかないのではということから、施設の存在を知ってもらい、環境を地域の皆さんで守っていただき、またその活動によって地域間のコミュニケーションもとれるのではと考えております。

司会者

活動の成果としてはどうでしたか。

担当者

いままで実践したことで地域の方はどのように変わったかというと、周辺のゴミの多さに驚き、今まで気づかなかったものが活動後にはゴミが散乱していると認識するなど視点が変わってきたこと、またそれを自主的に集めていただく方も居られるようになりました。更には釣り目的等でダムに来訪した方が危険な行為を行っているときは通報してくださるといったこともあり、関心度が高まってきたと実感しております。
それと繋がりとして、参加いただいた方々の中で「あの人があそこの家の方なんだな」と、身近でも気薄になっている昨今でありますが、繋がりのきっかけになってほしいと今後も継続していく上で期待しております。

司会者

では最後に何かお聞きの皆様にお伝えしたいことはありますか。

担当者

最後に今の紹介は施設美化等の話でしたが、雄国山麓では蕎麦の作付けが盛んで、農地一面がそばの花で埋め尽くされる光景は素晴らしく、それを探索しながら蕎麦に舌鼓するといったインベントを多数行っておりますので、是非、会津にお越しになって体験いただけたらと思います。

司会者

本日は、ありがとうございました。けさの土地連だよりは、「21世紀土地改良区創造運動の取組について」について、お話しを伺いました。