「株式会社東田面農産(ひがしたづらのうさん)の取り組み」について
【平成26年10月23日ラジオ放送】
担当者:会津若松市湊土地改良区 事務局長鈴木 衛
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、昨年度、東北農政局土地改良事業地区営農推進功労者表彰を受けられた「株式会社 東田面農産 の活動」についてお話を伺いたいと思います。
お話しは地域の土地改良区、会津若松市湊土地改良区の事務局長で、法人の役員でもある鈴木衛さんです。
はじめに、地区の紹介をお願いいたします。
担当者
本地区は、会津若松市にあり旧市街地の東、猪苗代湖の西岸に隣接する標高520メートル内外の中山間地に開ける耕地に位置します。
司会者
東田面農産の設立に至る経緯をお話しください。
担当者
本地区の水田は、10アール区画の上、泥炭土壌の湿田が多く、狭い道路と素掘り水路で極めて圃場条件悪い状況でした。
そんな中、平成に入り農業の効率化を図るため、地域で基盤整備の導入が検討され始め、数年をかけ地区の意向がまとまり、平成8年から当時の担い手育成基盤整備事業「双潟(ふたかた)地区」として工事が始まりました。
このころ、地元負担の少ない二十一世紀型や担い手育成型などが出てきたことが、基盤整備事業の推進を後押ししたと考えています。
その後、面工事が進んできた平成11年には、農作業受託組合として「東田面生産組合」を設立しました。
その折には、組合員の個人所有農機具の内トラクターを除き全て処分し、組合に全作業委託する仕組みができました。
以後、集団転作受託と組合員の水稲作業受託を中心に活動してきました。
平成18年10月には、それまでの任意団体としての経営に限界を感じ法人化を図り、資本金約340万円、社員13名、内執行役員3名、監査役1名、他経理事務員1名を雇用し「株式会社東田面農産」を設立しました。
司会者
法人の概況をお話しください。
担当者
現在法人の施設としては、事務所及び機械格納庫を始め、個人作業所を借上げた2箇所の乾燥調整施設があり、主な機械装備としては次のようなものがあります。
- トラクター(83ps・50ps)2台
- 田植機 (8条) 2台
- コンバイン (6条) 1台
- 乾燥機 (50石) 2基 籾すり機他調整機 2組
- 水稲他各作物播種機等
また近年カメムシ被害も発生しているところから、平成25年に色彩選別機1台導入し、直接販売米等の品質向上を図っています。
司会者
業績についてお話しください。
担当者
平成25年度実績ですが、農産として利用権を設定した耕地35.9ヘクタールの内、水稲(あきたこまち)23.8ヘクタール、大豆5.1ヘクタール、そば5ヘクタール、アスパラ0.7ヘクタール、その他野菜等1.4ヘクタールの作付けをしています。
そのほかに、地区の営農改善組合で調整したブロックローテーションによる地域の集団転作を、全て特定農作業契約で受託し、大豆10.4ヘクタールそば5.2ヘクタールを作付けしています。
合わせた経営の合計面積は、51.6ヘクタールとなり、東田面地区の64.5パーセントを集積していることとなります。
司会者
最後に、今後の活動や計画についてお話しください。
担当者
今までも厳しい農業情勢でしたが、26年産米の大幅な価格下落や農業政策の変化など、今後の先行きは本当に不透明と言わざるを得ないのが現状です。
しかし、米価上昇は考えられないことから、さらなる低コストを目指した直播栽培や、大豆そば以外の土地利用作物の新規作物導入なども視野に入れ、安定した経営を目指していきたいと考えています。
また、現状では法人化されたとは言え、小さな個人農家が集まって大きくなっただけと言えますので、これからが本当の仕事となります。
現在、土地改良区管内の湊町には、法人化された組織が6組織、任意組織が3組織あり、地域の担い手となっていますので、各組織間の連携を図り後継者が誇りを持って就業できる、組織構造にしていくことも大切だと思っています。
司会者
今朝はありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、昨年度、東北農政局の土地改良事業地区営農推進功労者表彰を受けられた「株式会社 東田面農産の活動」について、お話しを伺いました。