「福島県農業水利施設小水力等発電推進協議会」について
【平成26年12月20日ラジオ放送】
担当者:福島県土地改良事業団体連合会
農村振興部 農地・水・環境保全向上対策室 室長 鈴木 浩
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の「農家の皆さんへ」は、土地連だよりとして『福島県農業水利施設小水力等発電推進協議会』について、ご紹介します。
お話は、福島県土地改良事業団体連合会 農地・水・環境保全向上対策室長の鈴木浩さんにお伺いします。
鈴木さん、おはようございます。
担当者
おはようございます。
司会者
はじめに、本協議会設立の目的をお伺いします。
担当者
はい、現在の農林水産業と農山漁村を取り巻く情勢は、担い手の減少や高齢化の進行、生産物価格の低迷、資材価格の高騰等厳しい状況にあります。
また、農業水利施設は、食料供給の基盤であるのみならず、洪水貯留、地域排水、地下水涵養などに役立っていますが、ポンフ運転などに必要な電気料金の値上げや施設の老朽化などによって維持管理費が増大傾向にあり、施設の適正な管理が困難な状況となっています。
このため、用水路の落差を活用した小水力等発電を導入し、自らが消費する電力を自らが発電する、または、売電収入を施設の電気料金などに充当することで、維持管理費の軽減を図ることを推進しています。
また、本県では東日本大震災からの復興にあたって、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を基本理念の1つに掲げ、「再生可能エネルギーの飛躍的推進による新たな社会づくり」を復興に向けた主要施策に位置付けて、小水力並びに太陽光などの再生可能エネルギーの導入拡大を図っています。
以上のことから、農業水利施設の維持管理費の軽減を目的とした小水力等発電施設の導入推進を図るために、関係団体の連携が必要となっています。
司会者
では、協議会の概要はどのようになっていますか。
担当者
はい、本年の3月26日に設立され、土地改良区・市町村・国・福島県及び土地改良事業団体連合会が構成団体となっています。現在の会員数は55団体で、技術力向上並びに事務手続き促進のための支援などの事業を行っています。
司会者
はい、わかりました。
それでは、具体的に本年度の取り組み内容について説明していただけますか。
担当者
はい、先ず地方指導者の人材育成のため中央研修会として、再生可能エネルギーの基礎知識、計画にあたっての実務知識及び発電会計について、全国土地改良事業団体連合会主催による研修を7月下旬から10月下旬にかけ3回に分けて実施しました。導入見込み土地改良区・県・本連合会職員が参加し知識を習得し、この研修会を受けて、本協議会主催により、県内会員への研修を10月下旬に開催し、中央研修会の内容についての周知並びに、県内取組み事例の説明及び安積疏水発電所の現地研修により、運転・管理状況の説明などを受け、再生可能エネルギー導入推進のための情報提供を行いました。
また、本協議会より再生可能エネルギーに関する、コンサルタント・メーカーからの専門技術者の派遣を行い、県内土地改良区内33箇所の施設において、小水力・太陽光発電可能性の検討を行い、発電可能箇所の掘り起こしを行なっています。
さらに、12月上旬、先進事例地区などの視察を実施し、その中で、県内の小水力発電製作メーカーへの視察では、施設整備から保守点検方法、また先進県での小水力・太陽光発電を最近建設した団体における、運用状況及び運転までの関係機関との協議のポイントなど研修し、今後の導入実施への円滑化を図ることとしました。
司会者
はい、わかりました。
それでは、今後の予定について説明していただけますか。
担当者
全国土地改良事業団体連合会主催による、中央研修会が、1月と2月にかけて2回開催されます。この研修は、専門技術者育成の一環で第三種電気主任技術者資格取得を目的とし実施されるもので、この資格は、発電施設の適正な管理のため必要とされるものです。既に参加申込みは終了していますが、本協議会会員である土地改良区職員が参加する予定となっています。
また、啓蒙普及活動として、今後、広報紙の発行を予定しています。協議会活動内容、再生可能エネルギー導入にあたってのポイントなど広範囲に周知し、再生可能エネルギー導入推進を図っていきたいと考えています。
最後なりますが、9月末電力会社による再生可能エネルギーの系統接続申込みに対する回答保留措置報道があり、積極的導入を推進している本県では、11月末、経済産業大臣あてに「再生可能エネルギーの接続回答保留に関する 福島からの緊急提言」~ふくしま提言10箇条~を知事名で提出しています。本協議会も逆風に負けないで、再生可能エネルギーの導入推進を関係団体一丸となって進めて参ります。
司会者
ありがとうございました。
今朝の農家の皆さんへは「福島県農業水利施設小水力等発電推進協議会」について、福島県土地改良事業団体連合会 農地・水・環境保全向上対策室長の鈴木さんにお話を伺いました。