多面的機能支払交付金の取組について

【平成27年1月30日ラジオ放送】

担当者:福島県農林水産部農村振興課 主査 高野 友善
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さんおはようございます。
今朝の土地連だよりは、多面的機能支払交付金の取組について、福島県農林水産部農村振興課 主査の高野友善さんにお話しを伺います。よろしくお願いします。
はじめに、多面的機能支払交付金とは、どのような対策なのか、まず、その目的を教えてください。

担当者

はい。農村で農業が継続して行われることは、私たちの生活に色々な『めぐみ』をもたらしており、これを「農業・農村の多面的機能」と呼んでいます。
例えば、水田は雨水を一時的に貯めることで洪水や土砂崩れを防ぐほか、多くの生きものを育み、また、美しい農村の風景は、私たちの心を和ませてくれるなど大きな役割を果たしています。
しかし、農村しかし、農村地域の過疎化や高齢化が進んだことで、多面的機能の維持・発揮に支障が生じています。
このため、この対策により、農家の方々などが共同で行う多面的機能の維持のための活動を支援し、継続的に多面的機能の維持・発揮を図っていきます。

司会者

農業・農村は、私たちが生きていくのに必要な米や野菜などの生産の場としてだけではなく、私たちの生活にいろいろな「めぐみ」をもたらしているのですね。

担当者

はい、そうです。

司会者

次に、この対策はいつから行われているのですか。

担当者

この対策は、平成19年度から行われている『農地・水・環境保全向上対策』を組替・拡充し、平成26年度から、『多面的機能支払交付金』として実施されています。

司会者

それでは、具体的に多面的機能支払交付金の取組内容について教えてください。

担当者

はい。この交付金には、農地・水路・農道等の地域資源の基礎的な保全活動を支援する『農地維持支払』と、地域資源の質的向上を図る共同活動を支援する『資源向上支払』の2つのメニューがあります。

司会者

まず、『農地維持支払』から教えてください。

担当者

『農地維持支払』では、農家の方々が共同活動を行う組織を立ち上げ、農地法面の草刈り、水路の泥上げなどの活動を行うことで、交付金が支払われます。

司会者

次に、『資源向上支払』について教えてください。

担当者

『資源向上支払』は、「地域資源の質的向上を図る共同活動」と「施設の長寿命化のための活動」という2つのメニューで構成されており、前者は、水路・農道などの補修・更新等を行うことで、また、後者は、老朽化が進む水路・農道などの補修・更新等を行うことで、交付金が支払われます。
取組みにあたっては、農家と地域住民の方々が共同で活動する組織を立ち上げ、「農地維持支払」と併せて取り組むことが必要となります。

司会者

各活動に対して支払われる交付金は、具体的にどのように交付されるのですか。

担当者

はい、まず、この対策に取組む地域を決定し、共同で取組む農家や住民の方々による組織を立上げます。
交付金は、その中にある水田、畑、草地の地目毎の合計面積に応じて、国と県の交付金と併せて市町村から直接、活動組織へ交付されます。

司会者

交付金の額について教えてください。

担当者

はい、交付金の額は、地目毎に単価が違いますので、面積が大きい水田を例に説明します。
単価は、『農地維持支払』が、10アール当たり3,000円、『資源向上支払』の「地域資源の質的向上を図る共同活動」が、10アール当たり2,400円であり、この両方に取組むと、10アール当り5,400円の交付金が交付されます。
また、「施設の長寿命化のための活動」は10アール当たり4,400円となっております。
なお、取り組むメニューの組み合わせや地目によって、交付単価は異なりますので、ご注意ください。

司会者

それでは、平成27年度に対策を始めたい場合には、どのようにすればよいでしょうか?

担当者

この交付金は、平成27年度から、法律に基づく安定的な制度となり、今年の申請期限は6月30日となります
申請に際しては、活動計画書などを市町村に提出することとなりますのでお早目に準備をお願いします。
まずは、市町村の担当課や最寄りの県農林事務所の農村整備部、県庁の農村振興課、あるいは福島県土地改良事業団体連合会の農地・水対策室にお問い合わせください。

司会者

最後に、この対策が、県内でどのように広まっていけば良いと考えていますか。

担当者

この対策の目的が県民の皆様に理解され、活動の輪が広がることで、農業・農村の持つ多面的機能の維持・発揮が図られるものと考えています。
今後とも、県内の多くの地域で取組が拡大されるよう、市町村と連携しながら推進を図っていきたいと考えています。

司会者ありがとうございました。今朝の土地連だよりは、多面的機能支払交付金の取組について、福島県農林水産部農村振興課 主査の高野友善さんにお話しを伺いました。