壺下地区ふるさとを守る会の取組について

【平成27年3月25日ラジオ放送】

担当者:福島県土地改良事業団体連合会企画指導課 課長 谷 孝樹
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。今朝の「農家のみなさんへ」は、土地連だよりとして、多面的機能支払交付金事業に取り組んでおります、猪苗代町の「壺下地区ふるさとを守る会」について、ご紹介します。
お話は、水土里ネット福島 企画指導課長 谷孝樹さんです。
谷さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。本来であれば、会長の佐藤様がお話しをするところですが、私が代わってお話しをします。

司会者

壺下地区は、どのような場所なんですか。

担当者

壺下地区は、猪苗代湖の東に位置し、小沢川の扇状地の先端に集落を形成し、江戸時代には、会津藩と二本松藩をつなぐ二本松街道の宿場であり、関所も設けられていました。
当集落は、中山間地域で標高520メートルの地帯で、耕地面積は約44ヘクタールです。平成7年より担い手型の水田基盤整備事業を実施し30アール~100アールの圃場が整備されました。生産調整についても、町及びJAの方針等に協力し、そば・大豆等を中心に栽培し、目標達成している水田単作地帯です。

司会者

わかりました。次に、この事業の取り組みに至る経緯を教えてください。

担当者

基盤整備事業を機会に離農する農家も出てきて、又、高齢化が進むことも懸念されるので、地域の「土地の利用集積」と同時に土地を利用して、専業的に農作業を行う「担い手の育成」も進めてきました。
若手農業者4名が「担い手」として名乗りを上げ、農地の維持管理を図っています。
農道・用排水路の整備は、以前集落内全員で実施していましたが、農家の減少により参加者の確保が困難になってまいりました。今後の地域の農業基盤を健全に管理して行くために、平成19年度より開始された「農地・水環境保全事業」に取り組むことを集落内で話し合い、実施することにし、現在に至っております。

司会者

わかりました。取り組んでから、8年目になるんですね。現在の活動状況とこれからについてお聞かせください。

担当者

現在、構成員については、農家戸数18戸、非農家戸数33戸の合計51戸です。
会長、副会長、事務局長、庶務、会計、各委員長、委員、監事、各種団体の代表者による約20名により合同委員会を開催し、いろいろな団体からの要望を取り入れた活動を心がけており、集落内の連携強化に力を入れています。
特に、各種団体には活動の場を提供しており、消防団、婦人消防、野球部など、農業者だけではなく地域住民などが参加し、水路清掃等の共同活動に取り組んでおります。また、子供たちも含め集落全員で、プランターに花を植えて農道に設置し、全員で花の管理をしており美しい村づくりに努めていきます。
当集落は、猪苗代湖に隣接しているため、排水路には特に気を配っており、草刈時に水路に草を流さないように、スクリーンを設置して作業するようにするなど、猪苗代湖の水質保全には配慮しています。
最近は、熊やイノシシなどの農作物に対する被害が多くなってきているので、それらの対策に電気柵の設置を進めているところです。
個人主義になっている現代社会において、この事業を通して、地域住民の積極的な参加により、豊かな人間関係の形成を促して暮らしやすい地域づくりに邁進していこうと考えています。

司会者

最後に何かお話がありますか。

担当者

はい。今回は、猪苗代町の壺下地区ふるさとを守る会の多面的機能支払の取り組み内容をご紹介しました。水土里ネット福島では、折りにふれて、他の活動組織の取り組みについても紹介をしながら事業の支援をしていきたいと考えております。