「栗本堰を訪ねる小学生勉強会」の取組について
【平成27年10月20日ラジオ放送】
担当者:水土里ネット福島市 事務局長 佐藤喜孝
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「栗本堰を訪ねる小学生勉強会」の取組について、ご紹介します。
お話は、水土里ネット福島市の事務局長、佐藤喜孝さんにお伺いします。
佐藤さん、おはようございます。
担当者
おはようございます。
司会者
はじめに、栗本堰を訪ねる小学生勉強会とは、どのような内容なのかお伺いします。
担当者
はい。水土里ネット福島市は、田んぼや畑の農地の整備や維持管理、ため池や用水路、揚水機場等の農業施設の維持管理を行っています。この勉強会は、水土里を育む普及促進事業を利用して、地域を流れている農業用水は、どこからどの様に流れてくるのか、どんな利用をしているかを知ってもらうために開催しました。
司会者
この水土里を育む普及促進事業とは、どのような内容なのかお伺いします。
担当者
はい、この事業は、福島県ふるさと水と土保全基金を活用した農業農村整備の広報活動として、水の恩恵を受けている地域の農業者の方や地域住民の方々、さらには県産農産物の消費者の方々などが、交流を通して農業農村を取り巻く現状や課題について理解を深めるため、農村地域や農業用施設を題材にした広報イベント等を推進し、農村地域の活性化を図ることを目的としています。県内では土地改良区が事業主体として事業に取り組んでいます。
司会者
勉強会に参加された小学生はどのような事を体験したのですか。
担当者
はい、小学生達が学校に通っている通学路には普段から農業用水が流れているので、いつも流れている水は、自分たちの生活の中で当たり前にあるものだったと思うんですが、その水がどこから流れてくるのかは分からなかったようです。
まずは栗本堰の頭首工に連れて行きました。川を堰き止めて用水を取り入れるところを頭首工と言いますが、栗本堰の頭首工をまじかで見たのは初めてだったようで、水が流れる迫力や、えん堤から流れて落ちる水の音の大きさに驚いているようでした。その後、栗本堰の下流にあります円形分水の施設見学と用水の水質調査を行いました。この円形分水は全国でも珍しい分水施設で今では数が少なくなっているようです。福島市の景観100選にも選ばれています。これが円形分水の写真です。
司会者
これが円形分水なのですか、変わった形をしていますね。
担当者
はい、用水を下流へ流す為に、様々な分水施設がありますが、この円形分水の形状は、大正時代位からあるようで、昔から限られた水を求めて「水争い」が沢山あったようで、この円形分水は、サイフォンにより下から吹き上げられた水を、同心円上に越流させることにより、用水を均等・厳格に分けることができる分水施設です。この形には、夫婦円満とか円満解決とか、丸く収まるとか、円形と言う形にも円形分水を作った先人達の、用水を使う皆さんへの思いが込められているんだと思います。
円形分水の脇には桜が植えてあり、春の桜が咲く時期は、流れる水と桜でとても美しいですので是非花見の時期には一度見に来てください。
司会者
はい、是非一度行ってみたいと思います。それと、水質調査も行ったとの事ですが、どのような調査をしたのですか。
担当者
はい、まずは用水の透視度の確認ですが、水がどの位透明かを小学生にみてもらい、今度は、水の汚れをパックテストによる測定を小学生自分たちで行いました。この測定は、用水の上流と下流と、2回行い、どの様な違いが出るのかを調査しました。
司会者
調査の結果は、どうだったでしょうか。
担当者
はい、上流と下流とでは、明らかに透視度、パックテストともに水の性質が異なる結果がでました。この結果を踏まえて今後も地域を流れる貴重な資源である水を大切に使って頂くよう理解を深めてもらいました。
司会者
水土里ネット福島市では、具体的にどのような取り組みを行っているんですか。
担当者
はい、田んぼや畑の農地の整備や維持管理、ため池や用水路、揚水機場等の農業施設の維持管理を行っています。
司会者
現在の農業農村を取り巻く現状や課題はどのような事がありますか。
担当者
良質な農業用水を安定的に供給するためには、水源保全や農地、農業用施設の適切な管理及び農村環境の保全など広域にわたる活動が必要になります。しかし近年の農村地域を取り巻く現状は混住化や高齢化の進行により、農村環境を保全管理する機能の低下が懸念されております。こうした農村地域を取り巻く現状や保全管理に対する取り組みの必要性を広く県民の方々などに対して直接広報する機会が極めて少なく、保全管理の重要性が認識されているとは言い難い現状であります。
来年度も水土里を育む普及促進事業に取り組み未来を担う子供たちへ少しでも地域を流れている水の素晴らしさを伝えていきたいと思います。
司会者
ありがとうごいました。今朝は、「水土里ネット福島市」の佐藤喜孝さんにお話をお伺いしました。
担当者
ありがとうございました。