「水の郷ウォークin中朝日」の取り組みについて

【平成27年11月25日ラジオ放送】

担当者:只見町土地改良区 山内 翔
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「水の郷ウォークin中朝日」の取組について、ご紹介します。お話は、只見町土地改良区の山内翔さんにお伺いします。
山内さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

はじめに、水の郷ウォークin中朝日とは、どのような内容なのかお伺いします。

担当者

はい。只見町の上福井地区と黒谷地区では、平成22年度から「経営体育成基盤整備事業」に取り組んでいますが、この事業の実施地区を中朝日地区と言います。今回、水土里を育む普及促進事業を活用して、中朝日地区内の堰や水路をウォーキングで巡りながら、施設の重要性や役割、維持管理の必要性、新しくできた田んぼや畑を見学してもらって、農業農村の持つ多面的な機能について、地域住民の方に広く知ってもらうために開催しました。

司会者

この水土里を育む普及促進事業とは、どのような内容なのかお伺いします。

担当者

はい、この事業は、水の恩恵を受けている地域の農業者の方や地域住民の方々、さらには県産農産物の消費者の方々などが、交流を通して農業農村を取り巻く現状や課題について理解を深めるため、農村地域や農業用施設を題材にした広報イベント等を推進し、農村地域の活性化を図ることを目的としているもので、福島県の補助事業として土地改良区等が実施しているものです。

司会者

イベントはどのような内容だったのでしょうか。

担当者

はい、バス移動と徒歩移動を組み合わせたイベントといたしました。あいにくの小雨模様でしたが、大勢の地域住民の方々にご参加いただき、イベント当日はハロウィンだったこともあり、参加者の中には仮装をした小学生もいました。

司会者

え?仮装ですか。

担当者

はい、あらかじめ仮装をして参加すればプレゼントがあります、と告知していたのですが、まさか本当に仮装して参加してくださるとは思っていなかったので、大変嬉しかったです。また、開会式には只見町の公式キャラクターの「ブナりん」も駆けつけてくれたので、小雨の降る寒い朝でしたが会場をおおいに盛り上げてくれました。

司会者

ブナりんも一緒に歩いたのですか?

担当者

いいえ、さすがにブナりんは一緒に歩けませんでしたが、はじめに水路に水を取り入れる「黒谷堰」までバスで移動しました。ここは、平成23年7月の豪雨災害で被災したため復旧工事が行われ、新しい堰になったところです。ここから取り入れた水は、約73haの田んぼを潤しますが、これは只見町全体の田んぼの約6分の1に相当しますので、黒谷堰の恩恵を受ける農地がいかに多いかを知っていただけたと思います。また、普段は触ることができない水門を上げ下げするハンドルも特別に操作させていただき、子どもたちは貴重な体験ができたと思います。
黒谷堰から取り入れた水は、岩下水路という幹線水路を流れますが、途中、大水が出た時に集落内に流れないようにする水門を見学し、集落の方の協力で実際にゲートを操作していただき、水を落とす様子も見ることができました。
この岩下水路は、現在の水路が完成した際に記念碑が建てられていまして、そこには昭和44年から昭和53年の10年の歳月をかけて、今のコンクリート製の水路が完成したと書かれていまして、3つの集落が協力して完成した水路であるとも刻まれていました。 さらに碑文には、なんと上杉景勝公が会津藩主だった時代に原形が出来上がったという内容が刻まれていました。これには私も驚きました。

司会者

上杉景勝の時代ですか。かなり歴史的にも古い水路なのですね。

担当者

はい、西暦と言うと1600年頃とのことですから、約400年も前からあったことになります。当時の土木工事は手作業でしょうから大変な工事だったと思います。
この他に、ビオトープも見学していただきました。

司会者

ビオトープとは何ですか?

担当者

はい、ビオトープとは生態系保全地のことで、ほ場整備によって生き物の住む場所が奪われないように配慮して作られたものです。ここには、別の場所にビオトープがありましたが、その場所はほ場整備によって田んぼになる予定でした。そこで、工事をやる前に、地元の小学生とタイアップして「生き物引っ越し作業」を実施いたしました。

司会者

このビオトープに引っ越したわけですね。

担当者

はい、まだ完成したばかりですが、元の生き物たちが元気でいるかどうか、生き物調査を実施して確認したいと思っています。

司会者パンフレットには、豚汁やイワナと書いてありますね。

担当者はい、地元の婦人会の皆さんのご協力で、美味しい豚汁を作っていただき、参加者全員でいただくことができました。また、イベントの最後には「お楽しみ抽選会」も行いました。

司会者最後まで盛り沢山な内容だったわけですね。
それでは、只見町土地改良区の今後の取組について教えてください。

担当者はい、今後の取組といたしましては、現在実施しているほ場整備事業が平成28年度で完了予定ですので、無事に事業が完了するように組合員さんと協力して進めていきたいと思っています。また、農業水利施設の重要性や田んぼの持つ多面的機能について広く住民の方に知っていただけるように、水土里を育む普及促進事業などを有効に活用して、広報活動も行っていきたいと思っています。

司会者ありがとうごいました。今朝は、只見町土地改良区の山内翔さんにお話をお伺いしました。

担当者ありがとうございました。