平成20年度福島県の農業農村整備事業の概要について

【平成20年5月22日ラジオ放送】

担当者:福島県農林水産部 農村整備総室 農村計画課 副課長 小島 重紀
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、平成20年度福島県の農業農村整備事業の概要などについてご紹介します。
お話は、福島県農林水産部に勤務しております農村計画課の小島重紀さんにお伺いします。
まずはじめに、農林水産行政を進めるにあたって、農業農村整備事業の役割について、教えてください。

担当者

農業農村整備事業の役割ですが、農業生産性の向上や農村生活環境の改善を行い、それに伴う、食料の安定供給と国土保全、水源の涵養など多面的機能の発揮であります。
それを展開するための農林水産部の主な施策について、お話いたします。
農林水産部では、本県の農林水産業の持続的な発展と農山漁村の活性化に向け、7つの柱を目標に掲げています。
第1の柱は、「ふくしま水田農業改革実践プログラムに基づく、水田農業の改革です。第2の柱は、「ふくしま食・農再生戦略」の着実な推進です。第3の柱は、消費者に信頼される農林水産業の確立です。第4の柱は、農林水産業の経営体の強化です。第5の柱は、環境と共生する農林水産業の推進です。第6の柱として、地域の特色を生かした農山漁村の活性化です。そして第7の柱としては、安全で快適な県土の形成と豊かな森林づくりの推進があります。
このような施策を推進する上で、公共事業であります農業農村整備事業は、(1)農業生産にとって重要な農業用水の確保や農地の整備などの生産基盤の整備、(2)さらには、農山村に住んでいる人たちが、安全で快適な生活ができるように、生活環境の整備などを実施しています。

司会者

農業農村整備事業は農業生産性の向上や農村生活環境の改善など農村地域に必要な様々な事業を行っているのですね。
ところで、県は「新たな農業水利施設管理システム」を構築し、全県的に展開するなか、農業水利施設の果たす役割が、地域の方々にも大事であると認識していただくために、イベントを実施しいると伺いましたが、どのようなことを行われたか、その内容について教えてください。

担当者

県内でいくつかのイベントを実施しておりますが、最近では、5月の14日に、桑折町立睦合小学校の前を流れています、江戸時代初期に造られました「伊達西根堰」におきまして、小学生を中心に、摺上川にある堰や岩をくり貫いて造った水路トンネル、3トンの水が流れている水路などの各施設を見学し、更に、農業用水に適しているかの水質の検査も行いましたところ、児童たちは、大変興味を示していたとのことです。

司会者

農業農村整備事業では「自然との共生」など21世紀にふさわしい、いろいろな取組をしているのですね。
ところで、平成20年度の農業農村整備事業の予算編成はどのような方針で行われたのですか。

担当者

平成20年度の農業農村整備事業は、先ほどお話ししました農林水産部の施策を実現させるために重点的に予算配分を行っています。
具体的には、三つ目の柱の「消費者に信頼される農林水産業の確立」五つ目の柱の「環境と共生する農林水産業」及び七つ目の柱「安全で快適な県土の形成と豊かな森林づくりの推進」及び県の全庁重点の「過疎・中山間地域対策」「安全で安心なともに生きる社会の形成」及び「循環型社会の形成」などを重点事業と位置付けし、次の6つの事業に重点配分しています。
一つ目は、かんがい排水事業です。農業用水を安定供給するためのダムを建設したり、用排水路などを整備することにより水田農業の構造改革を推進します。
二つ目は、経営体育成基盤整備事業です。意欲ある経営体いわゆる担い手の育成・確保をし、生産基盤の整備である、ほ場整備を行って品目横断的経営安定対策の対象となります「集落営農」を推進します。
三つ目は、農地・水・環境保全向上活動支援事業です。農地や農業用水などの大切な資源や農村環境を守るための、共同で行う活動に対して支援します。
四つ目は、農業集落排水事業、バイオマス利活用推進事業です。都市部に比べて遅れている生活排水処理施設の整備促進を図り、農村生活環境の改善及び有機性資源の再利用を目指します。
五つ目は、中山間地域総合整備事業です。中山間地域の活性化は、県の重要な施策でありますが、生産基盤、生活環境基盤及び農村の活性化施設を整備することにより、豊かな自然環境を保全し都市との交流を促進する、魅力あふれる地域づくりを目指します。
最後の六つ目は、農地防災・保全事業です。くらしの安全・安心を確保するため、ため池など、危険性の高い箇所から計画的な整備を図っていきます。

司会者

平成20年度の農業農村整備事業の予算額はどのようになっているのでしょうか。

担当者

平成20年度の農業農村整備事業の予算額は、公共事業をとりまく経済的・社会的状況の変化や、国及び地方公共団体の財政が、依然として厳しい状況が続いている中で、農業農村整備事業全体で164億円程度確保されましたが、これは昨年度予算と比べ約14パーセントの減となっています。

司会者

平成18年度から5カ年間を「第二期集中改革期間」とする県の財政構造改革プログラムの推進期間中であり、やはり大変厳しい予算ということですね。

担当者

はい、そうです。
従いまして、これまで以上に事業の必要性、緊急性、効率性の観点から、一層の重点化、選別化を進める必要があります。今後とも、農林水産部の重要な施策を推進し、自分の住んでいる農村に誇りを持っていただけるように、農業・農村について県民の皆さんと共に考え、共に創っていきたいと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

司会者

ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、平成20年度福島県の農業農村整備事業の概要について、福島県農林水産部に勤務しております、農村計画課の小島 重紀さんにお話を伺いました。