「農業用水水源地域保全対策事業」について

【平成21年1月29日ラジオ放送】

担当者:福島県土地改良事業団体連合会 環境整備部 農地建設課 課長 渡辺 隆
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の「農家の皆さんへ」は、土地連だよりとして『農業用水水源地域保全対策事業』について、ご紹介します。
お話は、福島県土地改良事業団体連合会 農地建設課長の渡辺隆さんにお伺いします。
渡辺さん、おはようございます

担当者

おはようございます。

司会者

はじめに、農業用水水源地域保全対策事業とは、どのような内容なのかお伺いします。

担当者

はい、この事業は、豊かな田園を潤す農業用水は豊かな森林から生まれることから、良質な農業用水の安定的な供給と国土の保全ならびに京都議定書森林吸収目標達成に向けて森林整備の強力な推進が不可欠となっています。
このために、農業用水と水源林の関わりについて理解を深めることや水源林によりかん養された農業用水の有効利用を図ることを、水の恩恵を受けている下流の農業者や地域住民が、水源地域を取り巻く現状や課題について理解を深めるための普及推進活動を実施するソフト事業となっています。
事業主体は、土地改良区、県土連、市町村が対象となり、定額補助となります。本年度より会津大川土地改良区と福島県土地改良事業団体連合会が事業実施しています。

司会者

では、具体的に「福島県土地改良事業団体連合会」ではどの様なことを行っているのですか?

担当者

はい、具体的にはこの事業により農業用水と水源林の関わりについて農業者や地域住民の理解を得るための活動がメインとなりますので、PR用として、パンフレットの作成・間伐材を活用した啓発グッズの作成、産業まつりなどのイベントへ参加による事業PR、水源地域のウォーキングの実施、福島県林業祭への出展、また、本年度限定となりますが、第20回全国生涯フェステバル(まなびピアふくしま2008)への出展などを行ってまいりました。
また、事業実施にあたって、キャッチコピーの作成により身近に事業のことを考えられることを第一にし、アンケートの実施によりキャッチコピーを選定し「森林(もり)の恵で豊か稔」としまして、啓発グッズ等に活用しています。啓発パンフレットは小学生を対象としてわかりやすいものとし、森と水の大切なはたらきをイラストを多用した内容となっています。

司会者

はい、わかりました。
今回、様々なイベントに出展されているようですが、本年度郡山市「ビッグパレットふくしま」をメイン会場として開催されました「まなびピアふくしま2008」での出展状況をお聞かせ下さい。

担当者

はい、メイン会場であるビッグパレットふくしまに、10月11日から15日の5日間、2つのブースを出展し、森と水の大切なはたらきについてのパネル展示をおこないながら、休日の3日間は「親子でプランターづくりの体験」をおこない、森からでる間伐材の利用や森林から流れる水の利活用についての説明を行いました。
プランターは間伐材を利用したもので、苦労しながら、親子でふれあい、楽しく作ってもらえたのかと思っています。つくりながら間伐材利用についての関心と、間伐材の様々な活用例があることを理解して頂けたかと思います。
開催期間中は、県内に限らず多数の来場者がブースをおとずれ、農業用水と水源林のかかわりを理解して頂けたかと思いました。

司会者

間伐材利用のプランターは、自然環境にもやさしく、森林の適正な管理の上からも有効ですね。
また、水源地域のウォーキングの実施もされましたが内容について教えて下さい。

担当者

はい、本年度2つのウォーキングを10月から11月にかけて実施しました。一つが10月18日 葛尾村の活性化センターを起終点としました「あぶくまの水源を歩こう」を葛尾川源流散策実行委員会と連携し、約90名の参加者で、葛尾川の源流に位置する五十人山登山道をコースとしたウォーキングを、NPO法人福島県もりの案内人の会の先導により、途中コース内の木々の説明などを受けながら実施し、ウォーキング終了後には、磐城森林管理署さんによる森林及び環境保全の実際を講演していただき、その後もりの案内人の会の製作指導による、間伐材を利用したクラフトづくりを実施し大変好評でした。
また、11月16日には、二本松市の道の駅「ふくしま東和」を起終点としました「あぶくまふるさとウォーク」を、あぶくまウォーク実行委員会と連携し、あいにくの天候でしたが約10キロメートルのコースを140名の参加者で、晩秋の馬洗川渓流の散策を実施しながら、紅葉にそまる渓流の美しさの中、途中の昼食会場では大自然の中で郷土料理の「ザクザク汁」を味わいながら、水源地域における森林の果たす水源かん養機能発揮、土砂流出防止機能の向上などを見直す機会となったと思います。
来年度も、このような水源地域でのウォーキングを実施し、農業者や地域住民が、水源地域を取り巻く現状や課題について理解を深めるための一つにしたいと思っています。

司会者

最後になりますが、渡辺さん、この事業の実施するうえで、今後、どのようなことが重要であると、お考えでしょうか?

担当者

はい、この事業は、京都議定書の第一約束期間である平成24年度までの実施期間で、本年度からの限られた実施期間とはなりますが、美しい田園空間は豊かな農業用水があってこそと思っています。この農業用水は豊かな森林があることが前提となり、森林を守ることが大切であると考えられます。
また、「地球温暖化問題」においても、本事業により啓蒙・啓発を実施することにより多くの人に、この問題を考えていただくきっかけになればと思っています。
啓蒙・啓発事業ということで、事業の結果・有効性が見えないものがあるかと思いますが、平成24年度まで様々な形で実施してまいりますので、よろしくお願いします。

司会者

ありがとうございました。
今朝の「農家の皆さんへ」は「農業用水水源地域保全対策事業」について、福島県土地改良事業団体連合会 農地建設課長の渡辺さんにお話を伺いました。