「困っていませんか?交付金の事務手続き」

【平成29年11月22日ラジオ放送】

担当者:福島県農林水産部 農村振興課 主査     金田 誠

副主査 星 美沙子
司会者:RFCアナウンサー

司会者

おはようございます。
今朝は、「困っていませんか?交付金の事務手続き」と題して、福島県農林水産部農村振興課 金田誠さんと星美沙子さんのお二人にお話を伺います。よろしくお願いします。

担当者

(金田、星)おはようございます。よろしくお願いします。

司会者

本日は、交付金の事務手続きについて、ということですが交付金も、たくさんありますが、どの交付金についてでしょうか?

担当者

(金田)本日は、多面的機能支払交付金と中山間地域等直接支払交付金についてお話をさせていただきます。

司会者舌をかみそうですね。

担当者(金田)どちらも名前が長いので、多面払(ためんばらい)と中山間直払(ちゅうさんかんちょくばらい)と略して話を進めさせていただきます。どちらの交付金も、農道や水路の管理、景観作物の作付けなどを集落や組織の共同作業で行うときに活用できる交付金で、ラジオをお聞きのみなさんの中にも、活用されている方も多くいらっしゃるかと思います。

司会者県内では、どれくらい取り組まれているのでしょうか?

担当者(金田)福島県では多面払に取り組んでいる組織は1,392組織あり、取組面積は62,058haあります。また、中山間直払に取り組んでいるのは、1,162協定あり、面積は14,986haです。

担当者(星)あまりに広すぎるとピンと来ないですね。

担当者(金田)じゃあ、これならどうでしょう。日本人なら畳でしょ!ということで、1畳は約1.7㎡ですから・・・。多面払の取組面積は、約3億6,500万畳分、中山間直払の取組面積は、約8,815万畳分です。

担当者(星)ますますわかりにくくなりましたね・・・

担当者(金田)それだけたくさんの農用地で取り組まれているということです。

担当者(星)私の実家がある集落でも、多面払と中山間直払の両方を活用して水路の泥上げや草刈り、直売所の運営などをしています。中山間地で、法面の草刈りは重労働なので大変助かっていますし、直売所をつづけていくためにも必要です。でも、2つの交付金の使い分けや交付金をもらうための書類作成が大変なんですよねぇ・・・

担当者(金田)事務手続きが難しいというお話はよく聞きます。

司会者

具体的に、何が難しいといわれているのでしょうか。

担当者

(金田)多面払の書類作成にはパソコンが必要なのですが、農家の方には、パソコンをお持ちでない方もいらっしゃいます。また、お年を召した方だと、書類の文字が見えにくく事務作業を困難と感じている方もいます。領収書を整理して帳簿を作成したり、作業の日報を整理するのも大変だと感じているようです。

担当者(星)手続きは大変なんですが、農地を維持していくためには交付金は必要・・・。なにかよい方法はありませんか?

担当者(金田)あるにはあるのですが、聞きたいですか。

担当者(星)ぜひ

担当者(金田)面倒な事務作業を、他の人にお願いしてしまうという方法です。

担当者(星)えぇ!そんなことできるんですか?

担当者(金田)はい、可能です。交付金を使って、事務作業を委託できるんです。

司会者

「委託」とは何ですか?

担当者(金田)事務作業を、地域のコンサルタントや事務作業ができる方にお願いをして、その対価としてお金を払う仕組みです。

担当者(星)そうか。その対価としてのお金を、交付金から支払うことが可能なんですね。事務作業を、得意な方にお願いできるのはいいですね。・・・でも、私の地区は、対象となる農地が小さくて交付金額もあまり大きくはありません。人を雇うとなると、1人あたり年間250万円くらいかかりますよね。う~ん・・・やっぱり、無理じゃないですかぁ。

担当者(金田)確かに、組織の規模が小さいと交付金額が小さくなるので、その組織だけで人を雇ったり、コンサルタントにお願いするのは難しいかもしれません。でも、いくつかの組織がまとまったらどうでしょうか。

担当者(星)まとまると・・・。交付金額が大きくなりますね。

担当者(金田)そうです。交付金額が大きくなれば、事務作業をお願いできるようになると思いませんか。

担当者(星)確かに。規模を大きくすればいいんですね。でも、組織の範囲が広がると、自分の組織以外の泥上げとかやらなきゃならないんでしょ?それはちょっと・・・

担当者(金田)安心して下さい。これまで通り活動する方法もありますよ。いくつかの組織がまとまった場合には、共同活動へ参加した際の日当額の統一等は必要ですが、活動はこれまでどおり行うこともできます。また、複数の組織がお金を出し合って事務局を立ち上げ、事務作業だけお願いするという方法もあります。この場合、組織ごとの活動はそのままで大丈夫です。

担当者(星)なるほど。いろいろな方法があるんですね。

担当者(金田)今お話しした方法以外にもその組織の実態に合わせていろいろな方法があると思います。もちろん、事務委託をするお金は多面払と中山間直払の2つの交付金から出すことができます。

担当者(星)そうか。多面払と中山間直払のふたつの交付金があれば、事務委託にかけられるお金も大きくなるし、事務局から、2つの交付金の使い分けについて指導してもらうこともできるんですね。

担当者(金田)そうですね。事務作業をしなくてもよくなるので、農家のみなさんは農作業等に専念できるようになりますね。ぜひ、交付金を有効活用して、農地や農業の維持をつづけていただければと思います。

司会者福島県は農業が主要産業ですし、農地を維持し、農業を続けることは、その地域を守り食料を生産することで日本という国を守っていくことにつながりますね。本日紹介した、多面払交付金と中山間直払交付金の事務委託についてさらに詳しく聞きたい方は、どうすればよいでしょうか。

担当者(星)県庁農村振興課もしくは最寄りの各農林事務所または各市町村の多面払及び中山間直払担当者までお問い合わせ下さい。農村振興課の電話番号は024-521-7416です。

司会者本日は、「困っていませんか?交付金の事務手続き」として多面払交付金、中山間直払交付金の事務委託についてお話いただきました。金田さん、星さん、ありがとうございました。

担当者(金田、星)ありがとうございました。