「農業集落排水資源循環統合補助事業における機能強化対策への取り組み」について

【平成21年3月26日ラジオ放送】

担当者:福島県土地改良事業団体連合会 環境整備部 集落排水課 課長 諸隈 敏郎
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の「農家の皆さんへ」は土地連だよりとして、「農業集落排水資源循環統合補助事業における機能強化対策への取り組みについて」ご紹介します。お話は、福島県土地改良事業団体連合会 集落排水課長の諸隈敏郎さんにお伺いします。諸隈さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

はじめに、「農業集落排水資源循環統合補助事業」とは、どのような事業なのか、お伺いします。

担当者

はい。この事業は、はじめ「農業集落排水事業」といいまして、農村集落での、ご家庭や事業所のトイレ排水や生活雑排水などを、地区単位で処理することにより、農業生産環境や生活環境の向上を図る事業として、昭和58年より取り組んでまいりました。
平成14年度より、発生汚泥などの、資源としての再利用計画も、加わっております。現在、おおむね200近い完了地区がございます。

司会者

相当な実績がありますね。昭和58年からですから、中には集落環境の変化や、老朽化して、困っておられる施設等もあるのでしょうね。

担当者

はい、そのとおりです。集落の環境や人口の変化、水質規制の強化、また老朽施設の機能回復・向上を図るため、「機能強化対策」を行う事業がございます。

司会者

この事業で具体的にどのような対策をしているのか、お聞かせください。

担当者

まず、汚水を集める管路施設工事の事例を申し上げます。管路施設工事の機能強化対策は、主に、管路施設への雨水や地下水の侵入対策です。この侵入水が、処理施設の流入能力を上回り、処理能力低下の原因となります。
このため、老朽管路の内部に、樹脂をコーティングするなどによる管路更生工事、マンホールの止水対策などを行い、処理施設の能力を超える侵入水の流入を防止する工事を実施します。

司会者

処理施設は、能力を超える流入水が入りますと、悪影響があるのですね。

担当者

はい。そのとおりです。次に、汚水処理施設の機能強化対策について、申し上げます。主な工事は、コンクリート製汚水処理槽の修復と、汚水処理装置などの機能向上対策工事です。コンクリートの修復工事は、汚水処理過程で発生する硫化水素などに、コンクリートが長い間さらされることにより、劣化が進行します。そこで、劣化した部分を修復し、防食工事を行います。機械・電気設備、単位装置の改造としては、必要な汚水処理機器類、動力制御盤や配管設備などを更新し、機能の向上を図ります。近年、汚水処理技術は格段の進歩を遂げております。新たな機器の導入や、最新型の汚水処理制御システムに切り替える事により、汚水処理性能の向上・安定化はもとより、維持管理作業性や衛生面の改善も行っております。流入量の増加や水質規制の強化対策として、処理槽の増設や処理方式の切り替え改築などの対処も出来ます。

司会者

ずいぶん様々な手当てをしながら、施設の機能強化対策をしているのですね。
ところで、財政が厳しい中ですので、事業実施までの、国の助成について、お伺いします。

担当者

機能調査段階では、「農業集落排水維持適正化事業」があります。設計・工事段階では、「農業集落排水資源循環統合補助事業(機能強化対策)」という事業があります。国より事業費の50パーセントが補助されます。

司会者

機能強化対策事業は、これからも益々必要な事業となりますね。

担当者

はい。福島県では、すでに膨大な農業集落排水施設が供用されております。今後は、一層、農村集落を取り巻く社会情勢の変化や施設の老朽化などに、対応していく必要があります。農業集落排水施設の機能を長期に渡り安定して発揮するために、是非とも、機能強化対策事業を、活用して頂きたいと思います。詳しくお知りになりたい方は、私ども福島県土地改良事業団体連合会に、お問い合わせ下さい。

司会者

今朝の、「農家の皆さんへ」は、「農業集落排水資源循環統合補助事業における機能強化対策」について、福島県土地改良事業団体連合会集落排水課長の諸隈さんにお話を伺いました。

担当者

どうもありがとうございました。今後とも宜しくお願いいたします。