「21世紀土地改良区創造運動」について

会津北部土改区

【平成21年10月31日ラジオ放送】

担当者:会津北部土地改良区 事務局長 高笠 喜市
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、福島県で21世紀土地改良区創造運動に取り組んでおられる水土里ネット会津北部の高笠事務局長さんにお話をお伺いします。
高笠さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

水土里ネット会津北部は「21世紀土地改良区創造運動」で「東北地方奨励賞」を授賞されたそうですが。

担当者

はい。平成20年度に水土里ネット会津北部は福島県代表として東北地方選考会において、活動内容を発表したところ東北地方奨励賞というなんとも大変な賞をいただきました。

司会者

どのような活動が認められたと思いますか。

担当者

正直申し上げまして会津北部の活動は発展途上といったところです。徐々に土地改良区ってどんな組織なのか、どんな仕事をしているのか知られるようになりましたがまだまだです。土地改良区が果たしてきた役割や土地改良区が管理している土地改良水利施設は、農家・非農家の区別なく生活用水、防火用水として利用され、また会津は雪国ですので融雪用水としても使われています。だから、私たちはこの財産をこれからも永く守っていこうとしていますが、今農家だけで自然を守り、施設の維持管理をするのは大変な時代になっています。こういう公共性の強い施設や自然環境は、地域の方みんなで、それぞれの役割を持ちながら守っていこうと考えて頂けないかと思っているんです。

司会者

それがこの「21世紀土地改良区創造運動」の趣旨ですよね。

担当者

そうです。そのため、農家はもちろん会社員・商店はじめいろいろな職業の方々とお話出来る機会をつくるため、水土里ネット会津北部では秋に「水土里・ウォーク・イン・きたかた」と名付け、水利施設や地域の歴史的建造物などを巡るウォーキングを計画しています。また、喜多方市街の玄関口にある「一の堰頭首工」周辺の水辺環境を守る目的でシバザクラの植栽運動、更には小学校や地域の育成会を対象とした「田んぼの生き物調査」「水質検査」などの学習活動を通し、子供たちとのふれあいも特に大切にして活動しています。

司会者

ウォーキングを先日行ったと聞いていますが。

担当者

はい。今週の日曜日に紅葉の進む日中ダム周辺を巡る6.5キロメートルのコースに、地元はもちろん遠方の方を含め120名以上の方々に参加いただきましたが、豚汁の提供や抽選会の景品も大好評で、大変有意義な一日を経験したとの労いの声をかけていただきました。来週の日曜日には、地域市民の方にお手伝いをいただきながらシバザクラの植栽を行う予定です。

司会者

通常の仕事の他に、休日も仕事があって大変ですね。

担当者

それぞれ4から5年続けてきましたが、それでも続けられるのはみんなの熱意と参加していただいた方の感謝の言葉です。
焦らず、一歩一歩着実に続けることが大事だと思っております。
皆さんとお話するとき、どうしても専門用語を使うと一方的な話になってしまうきらいがあるので、会津弁を交えたりして、皆さんの率直な疑問やご意見を汲み取る努力も必要です。

司会者

これからも「21世紀土地改良区創造運動」を続けていかれるわけですが、どのように進めたいと考えていますか。

担当者

日々の忙しい仕事に携わっていると、研修やイベントそのものが目的になってしまいがちです。「21世紀土地改良区創造運動」とは、イベントを多く実施することが目的ではありません。それは、一つの手段であって本来の目的を見失うことなく、又、日々の業務のなかにも「21世紀土地改良区創造運動」の種があるという気持ちを忘れず、地域の方々と一緒に郷土を守って行きたいと思います。
日中ダムを始め3つのダム、頭首工が12カ所、幹線水路が50キロメートル以上、小さい水路まで含めると把握しきれません。
最初にも、申しましたが水土里ネット会津北部の「21世紀土地改良区創造運動」は、まだまだ成長過程ですが、未来の人々のために水を守っていこうとする強い決意は誰にも負けないと自負しています。

司会者

今日はお話を伺いながら、水土里ネット会津北部のある喜多方市を思い出しました。
私も観光で訪れたことがあり、ラーメンや蔵の町で有名ですが、お店のおじさんが「ここは水がいいからなし。だから米もうめえし、酒もいい。」と言っていました。
このように地元の人がいつまでも誇れる地域であり続けるよう、会津北部の皆さん、がんばってくださいね。
今日は、水土里ネット会津北部事務局長の高笠喜市さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。