「国営造成施設管理体制整備促進事業の取り組み」について

【平成24年7月31日ラジオ放送】

担当者:郡山市東部土地改良区 事務局長 大山 知充
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、郡山東部地区の国営造成施設管理体制整備促進事業の取組についてご紹介いたします。
お話は、郡山市東部土地改良区事務局長 大山知充さんに、お伺いいたします。
大山さんおはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

はじめに、国営造成施設管理体制整備促進事業の内容等についてお聞かせくださいますか。

担当者

はい、郡山市東部土地改良区は平成13年度完了いたしました、国営総合農地開発事業により造成された施設を管理しておりますが、これら農業水利施設の中には農業用以外にも利用している施設もあります。
しかし、人員等の関係から管理体制の脆弱化、また、ゴミ投棄等による維持管理コストの増加を招いている現状にあります。
一方、適切に管理することによって農業用水や農業水利施設が作り出す景観形成、親水機能、防火用水機能などの多面的機能に対する期待も高まっている中、これらに応えるべく施設の安全管理の強化が求められております。
このような背景の下、これらの多面的機能を発揮するための適切な取組を促進する観点から、施設管理者である土地改良区と地域住民等が一体となった施設管理体制を整備、強化することに対して支援する事業として、平成12年度創設されたものでありまして、当地区においては平成13年度より実施しております。

司会者

この事業の対象施設を教えていただけますか。

担当者

はい、私どもの地区は阿武隈川右岸に位置し南北に約20キロメートル、東西に約6キロメートル、受益面積は約1,500ヘクタールの地区であります。
管理している農業用水施設としては、国土交通省が建設いたしました多目的ダムである三春ダム敷地内にある取水塔、金沢・高柴の2ヶ所の調整池、金沢ほか5ヶ所の揚水機場及び導水路をはじめとして175キロメートルに及ぶパイプラインとなっております。

司会者

管理状況について教えてください。

担当者

はい、先ほど申し上げましたように地区内には数多くの施設がありますが、施設そのものについては通常、土地改良区職員が管理操作あるいは点検と軽微なメンテナンス等を実施しておりますが、景観形成、維持保全の観点から見ますと施設周辺の草刈等については、役員さんと受益者の皆さんにも協力をいただいております。
特に、金沢調整池周回道路でありますが、農家・非農家を含む地元の行政区さんと管理協定を結んで年2回の草刈等清掃活動をしております。

司会者

多面的機能発揮事例について紹介ください。

担当者

はい、土地改良事業によって農地が整備され、農業水利施設が造成されました。
これらは、作物生産の場または農業用水を供給する施設であるほか様々な機能・役割を担っております。
まず、施設を利用した事例について申し上げます。
事務所に隣接しております、約130万トンの貯水量のある金沢調整池においては、毎年郡山市消防団による災害時に対応するためのボート操艇、水難救助訓練の場として使用していただいておりますし、また、貯留水は近隣の山林等の火災時においては防災ヘリによる消火のための用水として提供しております。
また、金沢調整池は「自然と共生できる空間」として四季を通じて景観が楽しめると思います。
郡山市が整備し平成23年オープンいたしました郡山東部森林公園が隣接しており、これと一体的に秋の紅葉・野鳥観察などの散策ができる施設となっております。
去る4月22日には一周約3.8キロメートルの金沢調整地と郡山東部森林公園とを周回する「さくらと水辺の回廊ウォーキング」を約100名の参加を得て開催いたしました。
今年は開花が遅く、周回道路沿いに植栽している約200本の桜はまだ見頃とはいかなかったものの、郡山市内外からの参加があり、また、受益地で作付けされている開花時期を調整した東海桜の枝をプレゼントしたことには大変喜ばれました。
そのほか、土地改良事業によって整備した畑などの受益地における作物生産による憩いの場あるいは景観形成の効果でありますが、地区内には約6ヘクタールの梅団地や地区内外を含めた約20ヘクタールの桜を主とした花木団地は福島市の花見山を思わせる景観となっていると思いますし、三春町の滝桜、郡山市中田町の地蔵桜とともに大勢の観光客が訪れております。

司会者

最後に農業水利施設管理の課題についてお聞かせください。

担当者

はい、施設の存在がまだまだ知られていないことから、各種イベントを継続的に開催する必要があると思いますし、これを通して皆様に施設の役割等について理解を深めていただき維持管理活動に参画いただくなど、農業情勢が厳しい状況にありますが、受益者のみならず広く市民の方々に末永く親しんでいただけるような施設管理をするために、郡山市東部土地改良区が果たすべき役割と施設機能を再認識し、景観形成と管理運用に努めて参りたいと思っております。

司会者

今朝の土地連だよりは、国営造成施設管理体制整備促進事業の取り組みについて、郡山市東部土地改良区事務局長 大山さんにお話を伺いました。
大山さんありがとうございました。

担当者

ありがとうございました。