「平成25年度福島県の農業農村整備事業の概要」について

【平成25年5月23日ラジオ放送】

担当者:福島県農林水産部 農村計画課 主任主査 馬場 岳志
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「平成25年度福島県の農業農村整備事業の概要」について、
福島県農林水産部 農村計画課 馬場 岳志さんにお話しを伺います。
よろしくお願いします。

担当者

おはようございます。よろしくお願いします。

司会者

まず、はじめに、農業農村整備事業とはどのようなものなのか教えてください。

担当者

農業農村整備事業は、以前「土地改良事業」と呼ばれていましたもので、農業生産に必要な農業用水の確保や農地整備のほか、農山村地域の生活環境整備などを行っています。
また、こうした整備事業を通して、農作物の生産性向上や農村生活環境の改善を図り、食料の安定供給と国土保全など多面的機能の発揮に寄与しています。

司会者

農業農村整備事業は、農村地域に必要な様々な事業を行っているのですね。
さて、平成23年の東日本大震災では、農村地域へも甚大な被害が発生したと思いますが、福島県では、今後はどのように農業農村整備事業を進めていくのでしょうか。

担当者

はい。東日本大震災と原子力災害により、農林水産業や農山漁村をめぐる情勢は震災以前とは全く異なる状況に置かれています。
こうした状況の中、震災前の福島県農林水産業振興計画を見直し、今年3月に新たに「ふくしま農林水産業新生プラン」を策定しました。
新計画では『“いのち”を支え 未来につなぐ 新生ふくしまの「食」と「ふるさと」』を基本目標に掲げ、子どもたちが担う将来の本県農林水産業のあるべき姿を描き、平成32年までの8年間、重点的かつ戦略的に取組む施策の方向を示しました。
この計画には、7つの基本施策があり、その中で、農業生産基盤の災害復旧を最優先事項としつつも、農業生産基盤の整備、耕作放棄地対策、施設の保全管理などのほか、災害に強い農山漁村づくりなどを進めることなど、今後の農業農村整備事業の方針がまとめられています。

司会者

なるほど、新たな計画で、戦略的に進めるのですね。
災害復旧を含めて、こうした事業を進めるためには多くの予算が必要となると思いますが、平成25年度の予算の状況を教えてください。

担当者

はい。平成25年度の福島県の農業農村整備事業関係の当初予算として災害復旧事業については、約308億円、それ以外の事業は約98億円を計上しています。この98億円についても、津波被災を受けた農地を大きな区画へ整備する災害関連事業なども含まれています。
この予算額は、震災前の平成22年度予算と比べて、約3倍の規模となっています。

司会者

金額だけじゃなく、約3倍といのもすごい予算の変動ですね。
このように一気に事業予算が増えていますが、よく新聞などで、技術職員を中心に、行政職員が不足していることが取上げられています。
福島県ではどのような状況なのでしょうか。

担当者

はい。福島県でも震災前までの行財政改革により技術職員も削減してきており、震災後は、農業土木技術職員を含めて職員が不足している状況となっています。そこで、全国の道県から農業土木技術職員の支援派遣を受けて、相双農林事務所で災害復旧業務にあたっていただいており、今年度は北海道から沖縄まで全国10道県から23名の派遣を受けています。
また、今年度は農業土木職として、未来を担う14人の新規職員と即戦力となる20人の任期付職員を採用しています。このうち、3名の新規職員と任期付職員の全員が、相双農林事務所で業務にあたっています。
これ以外にも、相双地方の市と町へは、農林水産省の全国の出先機関から農業土木技術職員を派遣してもらっています。
派遣職員の皆さんは、ふるさとを離れ、家族と離れて、不便な生活を送りながらも、福島県職員とともに懸命に災害復旧業務にあたっていただいております。
このように、全国から温かい支援をいただきながら、災害復旧や農業農村整備事業を進めています。

司会者

福島県にもこんなに多くの方が支援に来ていただいているとは、知りませんでした。
改めて全国からの支援に感動しました。
こうした支援をいただきながら、災害復旧を進めているとのことでしたが、今後の見通しはどうでしょうか。

担当者

基本的には、避難指示区域を除いた津波被災地を含めて平成28年度までに復旧を終えることを目標に、各市町村と連携を図りながら事業を進めます。
今後は、避難式区域の見直しにともない改めて被害状況調査を行う必要があるため、さらに事業量が増加すると思いますが、現時点では、平成26年度が復旧事業のピークとなる見込みです。
一日でも早く、多くの地域で営農が再開されて、農村により多くの笑顔を取り戻すために、福島県では、懸命に事業を推進していきます。

司会者

ありがとうございました。
福島県に全国からの派遣されている皆様、私も県民のひとりとして感謝いたします。お体に気を付けながら、業務に取組んでいただければと思います。
今朝は、「平成25年度農業農村整備事業の概要」について、福島県農林水産部農村計画課の馬場岳志さんにお話を伺いました。