「仁井田の自然環境を守る会の取り組み」について

【平成25年6月29日ラジオ放送】

担当者:仁井田の自然環境を守る会 会長 影山 章
事務局長 藤田 忠内
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「仁井田の自然環境を守る会の取り組みについて」お話しをうかがいたいと思います。
お話しは、仁井田の自然環境を守る会 会長 影山 章さんと事務局長 藤田 忠内さんです。
今回、農業農村整備優良地区コンクール 農村振興整備部門で 農村振興局長賞を受賞されたとのことですが、受賞の経緯についてお話をいただけますか。

担当者

まず、このコンクールの趣旨、そして受賞経緯について申し上げます。
このコンクールは、全国土地改良事業団体連合会(全国水土里ネット)主催で「農業生産基盤整備部門」と「農村振興整備部門」の2つに選定されています。
「農業生産基盤整備部門」は効率的かつ安定的な農業経営を行うために、生産性や収益性の高い農業の展開を積極的に推進している地区が対象です。「農村振興整備部門」は地域独自の施策の展開や環境の配慮など、農村の振興をはかり活力と個性ある地域づくりを進めている地区および団体を対象に選考するコンクールで、当組織は、この部門にあたります。この部門は、農地・水事業組織だけでなく、全国の様々な地域振興をしている地区や団体が対象になります。残念ながら「農林大臣賞」には届きませんでしたが、長年コツコツと取り組んできた成果が形となって農林水産省「農村振興局長賞」を頂けたことに、役員一同、非常に満足しております。

司会者

組織概要、取り組みをご紹介ください。

担当者

本会役員は13名。会長に仁井田区長、副会長に構成団体役員、農業者の3名、事務局長・事務局次長に構成団体役員、農業者の各1名、事務局に各農事組合長3名、会計に団体役員、農業者の2名、監査に農業者2名です。任期がある役職、区長・農事組合長の場合のみ、役員の入れ替えをしています。現在役員は発足4年目以降、継続頂いております。発足当初から7年間協力頂いている役員もおりますので、地域に定着した組織になっています。構成団体は11団体。3つある農事組合は年4回の共同活動で、地域内30組の取りまとめを行い、作業場所、参加人員確認と、活動の主体となって協力頂いております。その他の団体は、本会活動計画の中で、それぞれの団体趣旨に合わせた活動を行い、組織の活動全体に幅を持たせています。
特に、夢花彩道さくら会は、この事業を契機にできた団体です。さくら並木づくりに賛同する人たちの集まりで、あらゆる組織の人たちが参加しています。

司会者

活動においてご苦労された点などございますか。

担当者

私たちは、250ヘクタール以上の広大な農用地を農業者だけで、恒久的に維持管理するのは、難しいと考えています。圃場整備後にできた広大法面や畦畔が多く現状でも、手が届かない場所が多く見受けられます。
今後、第2期目に入った「農地・水事業」を通しながら地域に住む一人ひとりに、農地の持つ資源の重要性、大切さを理解して頂き、地域一体となった協力体制を作らなければ、徐々に、遊休地や耕作放棄地が出てくる事でしょう。
「農地を地域の財産として考える」必要があります。そのためには誰もが享受できる、景観作りや地域内を流れる「水の浄化作業」など地域住環境の活動を取り入れながら、取りまく、田や水資源の重要性を、認識して頂くことが重要では、ないでしょうか。
農業者ばかりでなく、様々な人が、活動を通して、コミュニケーションを図り、醸成させて行くことが近い将来導入すべき「集落営農」という共同体制へと、結びつくと考えています。平成19年から平成24年まで、植栽やさくら並木、水路・農道への防草対策。集落内においては、地域用水路の泥吸水作業、道路の美化活動などまた、平成4年から実施してきた「学校田の取り組み」その田んぼを利用した児童による「生き物調査」などがあります。過去5年間で、基本となる景観形成の植栽は終了し、昨年度より管理作業へ活動を移行しています。

司会者

これからの抱負がありましたらお話ください。

担当者

今年は、「八重の桜」にちなんで、「八重桜」の植栽をしました。さくらは、仁井田小学校卒業児童の記念植樹として毎年3月、6年間実施してきました。子供たちにとって、心に残る、良い思い出となることでしょう。
今、地区内の圃場も田植えが終わり、青々とした田園をはしる沿道には、四季折々の花が咲きはじめ、心和む景観ができてきました。
この農地・水事業導入は、私たちの地域にとって、大きな財産に、なりつつあります。これから、事業が続く限り、また事業終了後も、この5年間で創り上げた土台を、大切に維持管理しながら夢花彩道の名の通り「夢と花が、彩りあふれる、魅力ある地域」を創り次世代へ、繋いでいこうと考えています。

司会者

今朝は、ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、「仁井田の自然環境を守る会の取り組み」について、お話しを伺いました。