土地改良区の合併について
【平成25年7月30日ラジオ放送】
担当者:会津北部土地改良区 事務局長 神田 弘行
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、3月に塩川西部土地改良区を吸収合併いたしました、会津北部土地改良区の神田事務局長さんにお話をお伺いします。
神田さん、おはようございます。
担当者
おはようございます。
司会者
会津北部土地改良区は、3月に塩川西部土地改良区と合併したそうですね。
担当者
はい。会津北部土地改良区は、喜多方市を中心に4,558ヘクタールの農地と3,720名の組合員を有する土地改良区でありましたが、3月1日に塩川西部土地改良区との合併が認可されまして、4,790ヘクタールの農地と組合員数3,851名で、県内では二番目に面積の広い土地改良区となりました。
司会者
今回の合併はどのように進められたのでしょうか。
担当者
はい、塩川西部土地改良区は、1ヘクタール区画の基盤整備事業の実施を目的に平成5年に設立されましたが、地区の約7割が会津北部土地改良区と重複していましたので、「基盤整備事業が完了すれば会津北部土地改良区と合併したい」という話は以前からありました。
基盤整備事業は、平成17年度で完了いたしましたが、事業要件であります農地集積の事務処理等がありましたので、正式には、平成23年6月に塩川西部土地改良区より合併の申し入れがありました。
しかし、農地集積の関係も含めて合併協議前に処理して頂かなければならない事項がありまして、すぐ合併協議には入れませんでしたが、昨年春にそれらの目途が立ちましたので、7月に会津北部・塩川西部土地改良区統合整備推進協議会を設置いたしました。
この協議会は、福島県会津農林事務所企画部の主導で、両土地改良区、関係市町村、福島県土地改良事業団体連合会、会津農林事務所からなる委員構成で、合併のための必要な事項の調査、検討、協議等を行っていただきました。
そして、7月から11月まで毎月計5回の協議会を開催し、検討、協議を重ねて頂きまして、昨年12月3日に合併予備契約の調印となりました。
通常ですと協議会設立から合併予備契約の調印まで1年以上かかるものですが、両土地改良区役員の熱意と協議会委員皆様のご努力によりまして、5ヶ月間での調印の運びとなりました。
あらためて関係者の皆様に御礼を申し上げます。
司会者
今回の合併の目的は、どのようなものだったのでしょうか。
担当者
はい。土地改良区合併の目的には、組織運営基盤の強化や、事務的・技術的効率の向上などがありますが、今回は、重複地区の解消が一番の目的でした。塩川西部土地改良区の受益地のうち、約7割の593ヘクタール、組合員687名中480名が、会津北部土地改良区と重複していましたので、重複組合員の負担軽減のための合併でした。
会津北部土地改良区では、これまで10の土地改良区と、塩川西部土地改良区では2つの土地改良区と合併してまいりましたが、いずれも重複地区の解消につながっております。
司会者
なぜ重複を解消するのでしょうか。
担当者
現在、農家経営は大変厳しい状況下にあります。私たち土地改良区の役職員は、常に組合員の負担軽減を心がけて業務を行っていますが、今回のような重複の場合、組合員の方が、それぞれの土地改良区の経常経費を負担しなければなりません。
組合員の高齢化や担い手不足が進行する中で、会津北部土地改良区と塩川西部土地改良区との二重賦課は、組合員にとって大きな負担となっていました。
そのため重複組合員の方からは、「早く合併して欲しい」と強く要望されていましたので、無事合併できましてホッとしているところです。
しかし、合併には経済的な効果がある一方で、土地改良区が遠い存在になったとか、土地改良区に対する愛着が低下したなどという話も耳にしますので、これからもサービスが低下しないように鋭意努力していかなければなりません。
司会者
組合員の負担軽減と言えば以前に会津北部土地改良区さんでは、発電事業も行っているとお聞きしましたが、現在はどうなされていますか。
担当者
組合員の負担軽減のために、それぞれの土地改良区さんでいろいろな取組を行っていますが、小水力発電事業もその一つです。私どもの大平沼発電所は、おかげさまで平成4年の運転開始から順調に発電が行われて組合員の負担軽減につながっています。
現在、福島県内では、会津北部土地改良区を含めて三つの土地改良区で小水力発電事業を行っています。いずれも国営かんがい排水事業で発電所を造成していただきました。
これからの土地改良区は、賦課金にのみ頼るのではなく自主財源を持って運営していかなければならないと考えています。土地改良区が持っています水のエネルギーを利用した小水力発電事業は、これからの土地改良区運営にとって必要不可欠なものだと思います。
また、昨年の7月に再生可能エネルギーの固定買取価格制度がスタートいたしまして、新規の発電所や運転開始から20年未満の発電所では、1キロワット当りの売電単価が3倍ぐらいになりました。私どもの大平沼発電所は、残念ながら運転から20年が経過していましたので、固定買取価格制度には該当になりませんでしたが、新たに発電事業可能な施設がないか、昨年より調査を行っていますので、今後、新たな発電設備を設置して組合員の負担軽減に努めたいと考えています。
司会者
お話をお伺いしまして土地改良区さんが、組合員の負担軽減のため、さまざまな取組をなされていることがあらためてわかりました。
これからも農家のために頑張っていただきたいと思います。
今朝は、会津北部土地改良区事務局長の神田さんにお話をお伺いしました。
ありがとうございました。