「放射線迅速マッピング用モバイルアプリの開発」について

【平成25年12月21日ラジオ放送】

担当者:福島県土地改良事業団体連合会 総務企画部 企画指導課 課長 谷 孝樹
司会者:RFCアナウンサー

司会者

 農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「放射線迅速マッピング用モバイルアプリ開発について」お話しをうかがいたいと思います。お話しは水土里(みどり)ネット福島 総務企画部企画指導課長 谷 孝樹(たかき)さんにおうかがいします。
3.11 東日本大震災からおよそ2年9箇月の月日が経過しましたが、水土里ネット福島の業務の状況はいかがですか。

担当者

 はい。3.11 東日本大震災による津波被害及び地震による農地・農業用施設の災害復旧事業に邁進してまいりました。沿岸部の復興再生については、緒についたところです。また、原発事故における放射性物質の飛散は、本県の農業生産に大きな被害を及ぼし作付制限、風評被害をもたらし、その影響は、まだまだ続いています。

司会者

 そうすると、農産物の汚染防止及び風評被害の払拭のために、農地の除染が必要になると思いますが、除染の準備のためにはどういったことが重要ですか。

担当者

 はい。まずは、農地に飛散した放射性物質における汚染状況の詳細な分布図を作成し汚染状況を把握する必要があります。
汚染状況を把握するには、たんぼ1枚1枚 あるいは、100メートル間隔で放射線量を測定するなどの方法がありますが、測定機器及び測定人員の調達など多くの課題があります。また、測定結果を図面にするにも、農業団体に農地の詳細な図面がないと現地調査測定結果を図面にするにも大変です。

司会者

 そういった状況を改善するためには、どういった方法がありますか。

担当者

 はい。実際に本会が行った事例についていくつか紹介したいと思います。まず、本会には、水土里情報の事業で作成した詳細な農地地図及び航空写真があります。これを、実際に調査をする団体へ提供し、調査結果・調査位置などを書き込んでもらいます。その結果を受けて、本会の水土里情報システムを用いて図面化し、団体へ提供することで詳細な放射性物質の分布図を作成することができます。
この図面を用いて、何件かの団体に農地の除染管理に使用していただきました。また、図面化することで分布状態が一目でわかりますので、除染計画の作成あるいは地域の広報などにも使われています。

司会者

 実際に使用された実績は、ございますか。

担当者

 はい。現在いくつかの市町村での線量測定の現場において使用しております。その結果、システムの有効性を確認することができました。

司会者

 最後に、これからの方針についてお話いただけますか。

担当者

 まだまだ本県の農業・農村の復興は、緒についたばかりです。本会は、構築した水土里情報システムを用いながら、放射性物質対策はもとより、GISの特徴である情報の見える化を推進し、農業関係団体と連携を密にしながら農村・農業の復興へ邁進していきたいと考えております。

司会者

 今朝は、ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、「放射線迅速マッピング用モバイルアプリの開発」について、お話しを伺いました。