平成26年新年あいさつ

【平成26年1月3日ラジオ放送】

福島県土地改良事業団体連合会 会長 車田 次夫

農家の皆様、平成26年の新春を迎えられましたこと、謹んでご挨拶を申し上げます。

私は、福島県土地改良事業団体連合会 会長の車田次夫でございます。

皆様におかれましては、ご壮健で良き新年を迎えられたことと、心からお喜びを申し上げます。

また、日頃より本会の業務推進に格別のご理解とご協力を頂いておりますことに、厚く御礼を申し上げます。

さて、昨年度、県が県内のため池1640箇所を調査し、そのうち約3割で底土の放射性セシウム濃度が基準値を超えたと発表されましたが、ため池を適切に保全・管理していかないと、地震や豪雨時の影響により、底(そこ)土(つち)が撹拌されてしまい、放射性物質を含んだ濁水等が下流の水田や住宅に流出し、再汚染される懸念が生じます。

このようなことから、本会では、ため池等汚染拡散防止対策の実証事業を行っており、水質・底質の放射性物質のモニタリング調査、拡散防止対策技術の実証の他、ため池周囲をGPS機能の付いた測定機を用いて空間線量と位置情報を同時に測定し、本会の所有する水土里情報システムで空間線量を図化しております。

このことは、ため池周囲の草刈りなどの保全管理が、今後も必要不可欠であり、作業員の被ばく防止措置の観点からも大変重要なことであります。

しかしながら、環境省の定める除染関係ガイドラインに、ため池の除染は位置付けられていないことから、引き続き、ため池の除染の必要性について、政府へ要請して参る所存であります。

ところで、本県の基幹的農業従事者は六十五歳以上が三分の二を占めており、高齢化、後継者不足による耕作放棄地の増加が懸念されている中で、来年度より農業政策の軸足を保護から競争促進へ転換する施策が開始されます。

地域の農業がこれを乗り越えられるように、農地の大区画化や汎用化をさらに推し進めなければなりません。更には、基幹的農業施設を維持管理し、地域農業を守る要となる土地改良区の運営基盤を強化していく必要があります。

本会といたしましても、引き続き、農地や農業水利施設の維持・保全はもちろんですが、放射性物質の拡散防止対策を含む農業政策の様々な諸問題に対する、農家の皆様方の声を国・県等の関係機関へ提起して参る所存であります。

結びに、本年は復興4年目の年となります。活力あふれる「ふくしま」の農村社会を築くため、今年も本会の全力をあげて取り組んで参ります。

皆様にとって新しい年が幸多い年となりますようお祈り申し上げまして新年のご挨拶といたします。