農地集積と集落営農への取り組み

【平成30年3月30日ラジオ放送】

担当者:会津若松市湊土地改良区 事務局長 五十嵐 賢一

司会者:RFCアナウンサー

司会者

おはようございます。
今朝の土地連だよりは、会津若松市湊土地改良区 事務局長  五十嵐 賢一さんにお伺いします。
五十嵐さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。本日は、よろしくお願いします。

司会者

よろしくお願いします。
今朝のお話は、経営体育成基盤整備事業 原地区における「農地集積と集落営農への取り組み」について、お伺いいたします。
初めに、土地改良区のある会津若松市湊町について、ご紹介いただけますか。

担当者

はい、私ども会津若松市湊土地改良区がある会津若松市湊町は、会津若松市街地より東方に位置し、東に猪苗代湖、西は背炙り高原、南は会津布引山に囲まれた、南北に標高約530メートルの水田地帯が広がる中山間高冷地です。
本土地改良区は、昭和28年に設立され、現在会津若松市湊町と河東町の一部を含む受益面積が約1,035ha、組合員553名の規模で、職員は3名体制となっています。

司会者

はい、自然豊かな高原地帯なのですね。
昔、湿原地帯だったそうですが、今は水田地帯に生まれ変わったということですか。

担当者

はい、現在は立派に整備された水田地帯ですが、湊町の主な耕地は、植物が堆積してできた泥炭層という土壌で、また地下水位が高いため湿田が多く、ほ場整備をする以前は大型機械化が進まず、農地流動化、つまり農地の権利移動促進の支障となっていました。
今回話をします、原地区は、「県営経営体育成基盤整備事業 原地区」として、平成18年から28年まで11年の歳月を賭け、原集落を中心に広がるほ場整備事業が行われました。
地区の概要は、田畑の面積が約91ha、受益者数は95名、区画整理の他に暗渠排水、客土事業が行われました。他に、環境との調和への配慮として、生態系保全空間整備事業も併せて施行されました。

司会者

それでは、原地区における「農地集積」について教えて下さい。

担当者

はい、原地区では、ほ場整備事業で整備した大区画への農地集積、特に担い手への農地利用集積の促進のため、平成18年から経営体育成促進事業に取り組んでいます。
農地集積の実績を申しますと平成28年度時点で、担い手への集積面積が全体90.6 haのうち、72.1 ha、率にすると、80.0 % を占めています。
そのことで、原地区は、農地集積優良地区として水土里ネット福島から平成28年度に表彰を受けております。
その中で、地域の担い手として、要となっているのが、特定農業法人「 株式会社 グリーンファーム原 」です。
「株式会社 グリーンファーム原 」は、農作業の受託組合を経て、平成25年に設立され、現在大区画化された農地63.4 haを集積して大規模経営、労力の省力化を図り、水稲、大豆、そば を主要作物として生産しています。
また、農作業や農地の維持管理に女性、高齢者の地元雇用を創出したり、収穫した作物を加工、販売を展開する6次産業化により、地域活性化をすることで地域振興の役割をも担っています。

司会者

核となって、地域営農を支えてくれる組織があるというのは、心強いですね。
今後の集落営農は、どのようにあるべきか、お考えをお持ちでしたら、お聞かせ下さい。

担当者これからの集落営農は、集落の農家全体が参加し、農地利用の改善を進める組織、仮に「営農改善組織」としますと、その組織を中心とした、農地集積・集約を促進、支えていく仕組みづくりが必要だと考えます。
そのためには、規約規定をキチンと整備し、行政から農用地利用に係る認定を受けて活動する団体となることが前提であります。

司会者はい、最後に、「原地区の今後の取り組み」について、何かビジョンのようなものがあればお聞かせください。

担当者

はい、原地区では、原町内会の有志が実行委員となり、原に笑う、と書いて「原笑プロジェクト」と題した活動を実施しています。
例えば、地元農産物、加工品、手芸品の販売、各種講習会の実施、伝統料理の復活、継承など、また農業体験や農業研修生の受け入れによる地区内外との交流と、様々な活動を実施しています。
その結果、農産物の生産拡大販路の確保、地域コミュニティの強化、といった成果が現れています。
今後もこういった活動を継続しつつ、更に地域で知恵を出し合いながら、地域活性化に向けた新たな取り組みをしていきたい、と考えています。
また、昨年の7月には、閉校した旧小学校を再利用した、笑い、楽しむ、交わる、と書いて「はら笑楽交」と命名された施設がオープンしました。
施設には、交流スペース、「カフェはら笑」が設置され、カフェは4月1日から再オープンし毎週日曜日に営業する予定であり、地元の豆腐もちを使った食事やコーヒー、軽食が召し上がれます。
是非、お休みには たくさんの方においでいただきたい、と思います。

司会者わかりました。今朝は、ありがとうございました。