ほ場整備事業と農地集積について

【平成31年2月26日ラジオ放送】

担当者:猪苗代町土地改良区 主任 遠藤 勇樹
司会者:RFCアナウンサー

司会者

おはようございます。「農家の皆さんへ」の時間です。
今朝は土地連だよりをお送りしましょう。
お話は、猪苗代町土地改良区 主任の遠藤勇樹さんです。
遠藤さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。本日は、よろしくお願いします。

司会者

よろしくお願いいたします。
今朝のお話、経営体育成基盤整備事業 土田北地区における「ほ場整備事業と農地集積」について、お話をお伺いいたします。
初めに、土地改良区のあります猪苗代町をご紹介いただけますでしょうか。

担当者

はい。
私どもの土地改良区がある猪苗代町は、福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖に面し、会津地域の東端に位置していて、東西北の三方を磐梯山を始めとする磐梯・吾妻・安達太良・川桁山系の山々に囲まれ、山と湖の織り成す雄大な自然景観に恵まれています。
本土地改良区は、平成5年10月に町内4つあった土地改良区が1つの土地改良区として合併し設立されました。
現在、受益面積が約2,605ha、組合員1,169名、職員3名体制にて事業並びに施設の維持管理を行っています。

司会者猪苗代町は、磐梯山と猪苗代湖に代表されるように、豊かな緑や清らかな水に恵まれて、また、季節を通してスキー場ですとか、ゴルフ場ですとか、さまざまな施設、観光スポットも沢山有りすよね。
一年中楽しめる観光地として有名じゃないかなと思っております。

担当者

はい。
そして、今日紹介する土田北地区は、猪苗代町の西端に位置し、隣町の磐梯町と隣接する地区です。
現在は ほ場整備事業により区画が大きくなり、道路・水路も整備されましたが、事業実施前は、水田地帯であるものの、畑や山林・原野も点在するような未整備地区でした。
営農状況については、米及びソバが中心で、畑作物は自家消費で作付けされ、近年農業従事者の高齢化が進み、耕作放棄地や遊休農地等が増加傾向にありました。
また、ほ場整備事業により、施工前の農地の区画形状が変わったため、磐梯町との境界変更をおこなったという珍しい地区でもあります。司会者そのような状況にあった地域が、ほ場整備事業を行ったということで、どのように変わったのでしょうか。

担当者

はい、土田北地区は平成18年から28年迄、ハード事業である「経営体育成基盤整備事業」によって、農業の生産基盤である農地などが整備されましたが、そのハード事業と一体的におこなう、ソフト事業の「経営体育成促進事業」も並行して進めてきました。
「経営体育成促進事業」は簡単に言えば、意欲ある農業者に対する農用地の利用集積を促進する事業です。
詳しく説明しますと、ハード事業である ほ場整備事業の実施を契機として、大区画化に整備される生産基盤の十分な効果発現を図るために、担い手と呼ばれる、将来の農業生産を担う農業経営者、あるいは組織への農地の貸し借りを含めた利用集積を促進して、効率的かつ安定的な経営体の育成をおこなうことを地域で図ってきました。

司会者

なるほど。
ハード事業とソフト事業を一体的におこなうことで、整備されている農地の効果を十分に発揮できるよう、事業が実施されたということなんですね。
では、土田北地区では、農地の利用集積を促進する、というソフト面について、どのようにして進めてきたのでしょうか。

担当者

土田北地区は受益者33名で構成され、地区には「工事委員会」、「換地委員会」及び「推進委員会」が設置されています。この中の推進委員会で、農用地利用の調整及び農地の貸手・借手の調整などを行い、担い手への農地集積の促進をするための推進体制を図ってきました。

司会者

ほ場整備事業が完了した現在で、どのくらいの成果があったのでしょうか。

担当者まず、ほ場整備事業が完了時の農用地の面積ですが、39.8ha。
そのうち、担い手への集積面積は25.5ha、全体の64% が集積されました。
さらに、農地が分散しないで、まとまった形での面的な集積面積は23.1ha、全体の58%となっています。

司会者全体のおよそ6割を越える農地を担い手さんが、引き受けてくれるわけなんですね。
地域の核となって、農業を支えてくれる担い手さんがいるというのは、心強いことですよね。
その他に、土田北地区では、ほ場整備事業によって、整備以前と変わったということはありますでしょうか。

担当者はい。
土田北地区では、ほ場整備事業区域内に非農用地として「堆肥化施設の用地」を創設しました
私達の住む、猪苗代町では、地域資源循環による人と自然が共生するまちづくり「美しいいなわしろの創造」をめざし「有機の里」構想を策定しています。
そこで、町内で発生するバイオマス資源を堆肥化し、地域の農地等に還元して豊かな土作りを行うための核となる堆肥製造施設の用地を当地区内に確保しました。
既に堆肥製造施設は、安全で安心な農産物を供給する資源循環型農業の実現に向け、本格稼動をおこなっております。

司会者土田北地区のほ場整備事業によって、地域並び町の資源循環型農業の実現に大きく、貢献をしたということになりますね。
遠藤さん、今朝は、ありがとうございました。
お話しは、猪苗代町土地改良区主任の遠藤勇樹さんでした。