地域における伊達西根堰土地改良区の活動の取り組み

【平成30年8月31日ラジオ放送】

担当者:伊達西根堰土地改良区 事務局長 石川 博利
司会者:RFCアナウンサー

司会者

おはようございます。
「農家の皆さん」への時間です。
今朝は、土地連だより をお送りしましょう。
お話は、伊達西根堰土地改良区 事務局長の石川博利さんです。
石川さん、おはようございます。

担当者

おはようございます。

司会者

今朝のお話は、「地域における伊達西根堰土地改良区の活動の取り組み」について、ご紹介いたします。
初めに、伊達西根堰土地改良区について、ご説明いただけますか。

担当者

はい、当土地改良区は、福島県の北端、福島市と伊達市の一部、そして桑折町、国見町に農業用水を供給する、西根堰と呼ばれる、2本の農業用水路と、その関係施設等の維持管理を行っています。
西根堰の呼び名は本地域が、阿武隈川を挟んで西側を西根郷(にしねごう)、東側を東根郷(ひがしねごう)と呼ばれていたことに由来します。
そして、西根堰は平成30年に完成から400年を迎えました。

司会者

今年が400年の節目となる年なんですね。

担当者

はい、400年前はまだ江戸時代初期で、当地域は米沢藩の領地でした。
明治以降、水利組合として組織化され、昭和26年に現在の土地改良区となりました。
土地改良区としても今年67年となります。

司会者

土地改良区としても長い歴史がありますね。

担当者

はい。

司会者

では、その土地改良区が地域において、どのような活動をしているのか、お聞かせ下さい。

担当者

はい、本土地改良区の役割は、農業用水をそれぞれの農家の方々の農地へ届けることですが、西根堰が400年の歴史があると説明いたしました様に、農業に不可欠な用水を確保することで、地域の農業、特に稲作が発展してきました。
今年の様に雨が降らないと現代でもダムやため池が干上がり、稲作に影響が出てしまいます。

司会者

そうですね、県内でもニュース等で報道されていますね。

担当者はい、そのような農業や地域の成り立ちについて、小学校4学年で学習する授業があります。
その授業に本地域の小学校では「西根堰」を取り上げることが多くあります。  小学校では、理解を深めるために、見学学習を実施することも多いため、土地改良区では、資料の提供や見学学習の説明、出前授業の講師等の取り組みをしています。

司会者自分の目で確認できる授業は、貴重な体験になりますね。

担当者はい、土地改良区の施設は、場所によっては安全管理上、鍵をかけておりますので、見学学習ではその様な施設や、普段目にしても気づかない施設も説明を受けることで理解できます。
また、歴史の説明、農業、特に稲作の説明や土木技術の専門的な事も、出来るだけ分かりやすく説明するように心がけています。

司会者では、西根堰の特徴的な事はどのような事なんでしょうか。

担当者はい、西根堰は出来るだけ遠くへ用水を運ぶため水路の流れを緩やかに、そして地形に合わせて、曲がりくねって作られています。
堅い岩を削ったり、またトンネルを掘った所もあります。
さらに、短い期間で工事を終わらせるため、工事区間を分担して進めた等、今の工事と同じ事を限られた道具だけで実現してきました。
そして、造るだけではなく、多くの人が力を合わせて今に受け継いできたことです。

司会者大人が聞いても興味深いお話ですね。

担当者はい、施設見学等は、一般の方からの依頼もあります。
「地域の歴史として西根堰の説明を聞きたい。西根堰の名前は聞いたことあるが、詳しく聞いてみたい。実際に施設を見学したい。」等の要望に答える取り組みもしています。

司会者はい。では、その他には、どんな取り組みをおこなっているのでしょうか。

担当者土地改良区では、県の「水土里を育む普及促進事業」の採択を受けて、「西根堰の隧道探検」「選奨土木遺産”西根堰”ノルディックウオーキング」を実施しています。
これは、農業水利施設の役割や農業用水の大切さを一般の方にも理解していただく事業ですが、同時に西根堰の歴史と健康づくり、農業の大切さや地域で作られる、米、果物、野菜などのPR活動にも取り組んでいます。
また、施設を管理するうえで重要なことに安全対策・事故防止があります。特に子供たちへは見学学習等も含めて、直接話ができる貴重な機会と考えています。

司会者様々な取り組みをされていらっしゃいますが、事故防止は本当に重要なことですよね。それでは、最後に今後はどのような取り組みを考えていらっしゃるのか、お聞かせください。

担当者はい。西根堰400年を記念し、桑折町にゆかりある「献上桃の郷 西根堰ふるさとウオーク」を昨年から開催し、今年は9月1日の土曜日に実施します。
イベントは土地改良区だけでは出来ないことが多くありますので、地元行政をはじめ、地域の方々と協力しながらどんな事が出来るか、を考えて行きたいと思います。
また、小学校の見学学習は平成29年度に18校で約1000人の児童の参加がありましたので、今後も継続して学習の支援と事故防止の理解を深めていただきたいと考えています。

司会者わかりました。
明日、おこわれるウォークも楽しみですね。
今朝は、今年、完成から400年を迎える、歴史ある「西根堰」、そして魅力いっぱいの、様々な活動に取り組んでいる、伊達西根堰土地改良区 事務局長の石川博利さんにお話を伺いました。ありがとうございました。

担当者ありがとうございました。

司会者土地連だより、お話は「伊達西根堰土地改良区」事務局長の石川博利さんでした。