なかあらい大地を育む会活動組織の取り組みについて

【令和2年2月29日ラジオ放送】

担当者:なかあらい大地を育む会活動組織 代表 渡部 雅俊
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の「土地連だより」は、「なかあらい大地を育む会活動組織の取り組み」についてお話をいただきたいと思います。お話は、なかあらい大地を育む会活動組織 代表 渡部雅俊さんです。渡部さんよろしくお願いします。
まず、はじめに、中荒井地区の概要についてご紹介ください。

担当者

はい。よろしくお願いいたします。
中荒井地区は、南会津町の中心部より南方に約4kmに位置し、国道121号に沿って形成されている集落で、会津と首都圏を結ぶ交通の要所にあり、集落内に(株)会津鉄道中荒井駅が設置されています。
集落は、令和2年1月1日現在、人口310名、112戸、65歳以上の高齢化率45.8%となっています。
地勢としては、集落の西側に阿賀川が流れ遠く日本海に注いでおり、その東側と西側には山が連なっています。
農業は、水稲を中心にソバ、アスパラガス、リンゴの生産が盛んです。
昭和54年から昭和62年にかけて「中荒井地区県営農林地一体開発整備パイロット事業」により62haを整備し、現在その農地は農業生産法人に集積され、アスパラ、ソバが作付されています。
平成30年の中荒井地区の農作物の作付状況は、水稲29ha、ソバ45ha、野菜1haとなっています。

司会者

それでは、取り組みの経緯についてについて教えて下さい。

担当者

中荒井地区では、少子高齢化が進み、空き家・独居老人等が顕著になり、将来を展望すると、集落機能、集落社会を如何に維持していくかが課題となっておりました。
「集落で出来ることは集落で」の精神で共同作業等は全戸出役が原則でしたが、高齢化等で人手が不足し、区民同士の関係も希薄になってまいりました。
また、農地は離農や鳥獣被害等の増加に伴って遊休化し、優良農地の維持管理、災害や雪対策等の課題が顕在化してまいりました。
一方、集落の活性化を図るために集落の課題を把握・分析し、持続可能な集落機能と集落社会の維持を図るために、平成25年度に「中荒井に生まれて良かった!」とする「なかあらい地域活性化(元気づくり)計画」を策定しました。
計画策定と併せて、集落内の優良農地の維持管理・保全等を集落ぐるみで推進することを目的に平成25年4月「なかあらい大地を育む会活動組織」を設立しました。その活動面積は102ha内訳として 田30ha 畑72ha、構成員は農業者87戸、非農業者28戸 計112戸 農業施設として水路17km、農道40km、防風林30ha、鳥獣害防護施設(電気柵)3.7kmです。

司会者ところで、今年度の福島県多面的機能支払推進協議会 優良活動組織表彰において「福島県知事賞」を受賞されたそうですが、思いについてはいかがですか。

担当者

はい。これまで実施・推進して来た各種事業への取り組みが評価されたものと、大変光栄に思うと共に区民一同歴史的なこととして喜んでおります。
当集落には、多くの生産資源の農地を有しておりますが、昨今の生産年齢人口が高齢化となり、優良農地の維持管理が難しくなって来た時に、国は、タイムリーに「本交付金制度」が創設され、当集落も平成25年度から、地域の実態と特長を活かしながら多面的な事業を推進することが出来て、農業環境を始め住環境も併せて整備されることなので、今回の受賞を機に、これからも社会の変化を見据えながら、集落の農業振興に必要な事業の展開を積極的に推進し、地域住民が住みやすい環境づくりを進め「中荒井に生まれて良かった!」との思いと、これまので活動や経験を次世代へしっかりと継承し、地域の魅力や伝統を発信し続けたいと思っております。司会者活動の中での苦労について、お話ください。

担当者

はい。近年の集落の最大の課題は、野生鳥獣被害の拡大でした。
しかしながら、本制度を活用して三ヶ年間で3.7キロに亘って、電気柵を設置したことで、ニホンジカ・イノシシからの被害が著しく減少され、農業を諦めた人も再度取り組むようになりました。
これらの事業を通して、地域の課題解消に本制度が繋がるとの理解を得ることが出来たことから、以後各種事業への参加率が向上しました。

司会者

今後の活動についての思いについてお話ください。

担当者

はい。今回の受賞は、農林業を核に生活環境の改善や文化の継承など住みやすい地域づくりを進める団体を対象とした「むらづくり部門」の受賞でしたので、これからも地域の実態に即した事業を企画し推進する姿勢を堅持して、地域住民が住みやすい環境づくりを進め「中荒井に生まれて良かった!」との思いが抱ける村づくりを推進して参ります。

司会者

最後に、これからの抱負についてお話ください。

担当者

はい。「多面的機能支払交付金事業」は、農家・非農家との交流促進 ・住環境の整備等これまでの事業・活動により、私達集落の大きな財産となっております。
この交付金制度永く続くことを願います。これからの時代、地域の生活に何が求められるかを考えて来ましたが、これからも、事業・活動に更に磨きを掛けて、集落の歴史・ならわし・伝統・文化・人・いのちを次世代へとしっかりと継承し、持続可能な集落機能と集落社会の維持・向上に努めてまいりたいと考えております。

司会者今朝は、ありがとうございました。
今朝の「土地連だより」は、「なかあらい大地を育む会活動組織の取り組み」について、お話しをいただきました。お話は、なかあらい大地を育む会活動組織 代表 渡部雅俊さんでした。