防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画について

【令和3年4月22日ラジオ放送】

担当者:福島県農林水産部農村計画課 主査 橋本 知彦
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画」について、福島県農林水産部 農村計画課 橋本 知彦さんにお話しを伺います。
よろしくお願いします。

担当者

おはようございます。よろしくお願いします。

司会者

まず、はじめに、農業用のため池について教えてください。

担当者

はい。農業用ため池とは、農業用水を確保するため人工的に造成された池のことで、県内には約4,000箇所存在しています。

司会者

そんなにたくさんの農業用ため池があるのですね。
農業用ため池に、防災重点という言葉が付いていますが、これはどのようなものですか。

担当者

はい。 「防災重点農業用ため池」とは、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与える恐れのあるため池のことで、令和2年10月1日に施行された「防災重点ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法」にて位置づけられたものです。県内では令和3年2月に、1,414箇所を「防災重点農業用ため池」に指定しました。
その上で、令和3年から12年の10年間で、集中かつ計画的に防災工事等を推進するため、令和3年3月26日に「防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画」を策定しました。

司会者

1,414箇所の防災重点農業用ため池に関して、推進計画を策定したということですが、どのような内容になっているのでしょうか。

担当者

はい。今回策定した推進計画では、特別措置法で定められた10年間で進めていく防災重点ため池の防災工事の推進に関することや、各種評価に関すること、防災工事の実施に関することなどについて方針を定めました。

司会者

10年間という定められた期間内に防災工事等を進めるとのことですが、具体的にどのように進めていくのでしょうか。

担当者まず始めに、指定した防災重点農業用ため池の現在の状況について評価を行います。
それぞれのため池に対して、3種類の評価を行います。一つ目に「劣化状況評価」があります。これは、ため池が現時点でどの程度老朽化しているか評価するものです。二つ目に、「地震耐性評価」を行います。これは、文字通り地震に対してどの程度耐えられるかを評価するものです。三つ目に「豪雨耐性評価」です。これは、最近頻発するゲリラ豪雨や大雨に対してため池の下流に被害を及ぼさないかどうかを評価するものです。これらの評価を令和3年度から計画の前半である5年間で全ての防災重点農業用ため池で行う予定です。

司会者詳しい評価を行ってため池の現状を把握するわけですね。評価した後は、どのような流れで進めていくのでしょうか。

担当者はい。防災重点農業用ため池の防災工事に関しては、期間の前半5年間に35箇所、後半5年間に86箇所、計121箇所で防災工事に着手する計画としています。

司会者なるほど、この先10年間で集中的に評価と防災工事に着手していくというわけですね。

担当者はい。今回策定した推進計画に基づき、県と市町村、土地改良区、管理者等が一丸となって、住民の皆様の安全安心の確保に向けてため池の安全対策を進めて参ります。

司会者最近多くみられるゲリラ豪雨や大雨による被害が今後、少しでも減ることを希望します。

担当者本日お話ししました内容は、ため池の防災工事というハード対策についてお話しさせていただきましたが、防災はハード対策とソフト対策を組み合わせて進めることが重要です。現在、県内の市町村では、ソフト対策としてため池のハザードマップの作成を進めています。お住まいの近くに農業用ため池がある方は、一度市町村のホームページなどでご確認くださいますようお願いいたします。
また、県では、ハザードマップの周知など、地域住民の皆様が防災・減災意識を高める「ふくしま水土里の防災力アップ運動」の展開や、ため池管理者の適正な保全管理活動を支援する福島県ため池サポートセンターを設置しています。
引き続き、防災・減災の取り組みにご理解とご協力をお願い致します。

司会者ありがとうございました。
今朝は、「防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画」について、福島県農林水産部農村計画課の橋本知彦さんにお話を伺いました。