「田部環境保全会の取り組み」について
【平成25年11月28日ラジオ放送】
担当者:田部環境保全会 会長 湯田 浩仁
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「田部環境保全会の取り組みについて」お話しをうかがいたいと思います。お話しは、田部環境保全会 会長 湯田 浩仁さんです。
はじめに、田部地区の紹介をお願いします。
担当者
田部地区は、会津若松市から栃木県宇都宮市につがる国道121号線の近くにあり、旧田島町から東へ約4キロの箇所に位置しています。
当集落は山に囲まれておりまして、標高600メートル、耕地面積約40ヘクタールが展開する、寒暖の差が大きい山間地にあり、冷涼な夏の気候を活かした、アスパラガスや花の栽培が盛んな地域です。
代々、水資源に乏しい地域でして、近くには水無川という河川があるのですが、その名のとおり、雨が降らないと、たちまち渇水になる川なんです。
水田に引く水も、水無川流域に頼っていますので、過去には幾度となく渇水に見舞われてきました。
司会者
取り組みに至る経緯をお話ください。
担当者
当地域の水田基盤整備は大正に行われましたが、大きい区画でも4アール程です。一戸当たりの耕地面積ですと、平均で30アール、3反位になります。
過去には基盤整備の話は持ち上がりましたが、当地域は40年ほど前からアスパラガスの産地だったので、なかなかまとまりませんでした。
農業情勢は厳しくなるばかりで、地域の農業を考えますと、農業者の高齢化を起因とした、耕作放棄地の増加は目前となっています。
そこで、基盤整備で作業効率を上げるとともに、農地を集約して、次世代の担い手を作らなければいけないと、危機感を持つ耕作者が集まって、話し合いを続けているところでして、その機運は高まりつつあるんですが、一方で、当地域の堰(=水路)は老朽が進んで、漏水がひどかったり、土砂崩れで水路がせき止められたりするんですが、修繕や点検にはお金がかかるし、耕作者も高齢化ですから、労働力が少なくなっている昨今からすれば、どうすればよいのか解決策に乏しい状況でした。
そうしたところ、南会津町からの提案で、農地・水という事業制度を知りました。自分たちの力で何とかできるのであれば、と早速、取り組みの手続きに至りました。
司会者
最後に、活動についての思いについて、お話ください。
担当者
当地区にとって、水はとても貴重なので、地域住民が力を合わせて、施設を維持管理できる体制を構築したいですね。
農業者数が減ることは必至ですので、農地を集約することで、作業効率を上げて、生産コストを下げるために、非農家の方々にも協力してもらう仕組みを作り上げたいです。
また、子供たちには、地域の自然を知ってもらうためにも、蛍が繁殖できる環境をつくるための場にしたいですね。
今年の4月から活動が始まりました。小さな変化ですが、みんなが協力しようとする意識が強くなり始めています。
一人ひとりの意識が変わることで、こうした計画の実現への可能性はとても大きくなると思っています。
先人の苦労を伝えることで、尊重や敬いとか、施設を大事にする心が生まれて、維持管理も上手にできるようになると考えます。
司会者
今朝は、ありがとうございました。
今朝の土地連だよりは、「田部環境保全会の取り組み」について、お話しを伺いました。