福島市土地改良区より

【令和5年6月28日】
担当者:福島市土地改良区 事務局長 岡部 達也
司会者:rfcアナウンサー

司会者おはようございます。「農家の皆さんへ」の時間です。
今朝は、土地連便りをお送りします。
お話は、福島市土地改良区 事務局長の岡部達也さんです。
岡部さんおはようございます。

担当者おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。

司会者今朝のお話は、福島市土地改良区についてご紹介いたします。
初めに福島市土地改良区についてご説明いただけますか。

担当者はい。福島市土地改良区は、土地改良法に規定された組合法人で、昭和59年10月に3土地改良区が合併して設立されました。
現在、受益面積 約2,300ha、組合員数 約3,900名で、土地改良施設の維持管理をしています。
また、多面的機能支払金交付金組織の事務受託も行っています。

司会者では、具体的にをどのような事業を行っていますか。

担当者田畑の区画整理である「ほ場整備事業」、樹園地の防除(消毒)用水やかんがい用水を供給するための「畑地かんがい事業」などがあり、一定程度事業が完了しましたので、現在は用水路、排水路、揚水施設、管路、農道など土地改良施設の維持管理が主となっています。

司会者これらの維持管理をするための財源はどう確保しているのですか。

担当者受益者である組合員様から毎年度、賦課金として負担をいただいています。

司会者福島市土地改良区の特徴は何ですか。

担当者福島市土地改良区は、小規模な土地改良区で、過去に施行した面的土地改良事業17地区において、それぞれ”維持管理委員会”を組織し、自主計画により独自性を持って適正な維持管理に努めています。
また、国営・県営で農地開発事業を施行しましたが、営農が頓挫し耕作放棄地となっていた農地を利用して「農山漁村再生エネルギー法」による太陽光発電事業や牧草地にて営農型太陽光発電事業に協力しています。
そのほか、地域の小学生が土地改良施設(堰やため池)の大切さを学ぶ機会を設けています。

司会者そのほかの自然環境面への貢献はありますか。

担当者農業・農村は国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成等の多様な機能を有しており、これら多様な機能の保全への貢献も土地改良区の役割と考えています。
一級河川松川から取水している「栗本堰」や一級河川小川から取水している「井野目堰」は、共に江戸時代に開削された用水路で歴史遺産です。
水は上流から自然に流れてくるのではなく、取水施設(頭首工)から取水し幹線・支線・末流水路へと流れていきます。これらの水路沿線住宅からの生活排水も流入し、汚水を希釈する環境用水としての役目も担っており、市民生活と密接に関わっています。
この機能が十分に発揮するよう泥上げや草刈りをはじめとした維持管理も行っています。

司会者業務を進めるうえでの課題はありますか。

担当者現下の農業を取り巻く環境は大変厳しいものがあり、農業就業者の高齢化や後継者不足など叫ばれて久しいですが、これらを背景とした耕作放棄地の増加が社会問題となっています。
また、米価下落により耕作放棄地の増加に拍車をかけています。
これらの影響を土地改良区はもろに受けていて、賦課金納付意欲が低下しているように感じます。

司会者今後の展望はどう考えていますか。

担当者土地改良区を取り巻く環境は決して明るくありませんが、農業用水の安定的確保と供給、営農に資する施設保全が土地改良区の使命であり、そのために土地改良区が整備してきた施設の維持管理はもとより、老朽化してきた施設の長寿命化・更新に向け取り組んでいかなければならないと考えています。
何卒、土地改良区に対するご理解とご協力をお願いいたします。

司会者厳しい状況とは思いますが、今後も農家の皆様のためにもお願いします。
今朝のお話は、福島市土地改良区 事務局長 岡部達也さんでした。
ありがとうございました。

担当者ありがとうございました。