「農地・農業用施設の災害復旧事業」について
担当者:福島県農林水産部 農村基盤整備課 技師 伊藤 正倫
司会者:rfcアナウンサー
司会者農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「農地・農業用施設の災害復旧事業」について、福島県 農林水産部 農村基盤整備課 伊藤 正倫(いとう まさみち)さんに、お話を伺います。
よろしくお願いします。
担当者おはようございます。よろしくお願いします。
司会者まず、はじめに、農地・農業用施設の災害復旧事業とはどのようなものなのか教えてください。
担当者はい。農地・農業用施設の災害復旧事業は、一定の基準を超えた大雨や地震などの自然災害で被害を受けた田んぼや、畑、農業用の水路などを市町村等が事業主体となって復旧工事を行うものです。
司会者農地・農業用施設の災害復旧事業とのことですが、この場合の農地・農業用施設とは具体的に何をさしますか。
担当者まず、農地ですが、田んぼや畑のことです。
農業用施設とは、農業用の用水路・排水路、ため池、農道、堰・頭首工、農業集落排水施設などになります。
司会者田んぼや畑、水路などの農業用施設に被害があった場合、事業を活用できるとのことですが、農家の皆さんにとって、どんなメリットがありますか。
担当者復旧費用が1箇所あたり40万円以上の場合、復旧工事に必要な金額の一部について、国から補助を受けられることが最大のメリットになります。
国の補助を受けることができれば、農家の皆さんの負担が軽減されます。
また、令和元年東日本台風災害や昨年8月の豪雨災害のように大規模災害の場合、「激甚災害」に指定され、国の補助率が大きくなるため、負担はさらに軽減されます。
その他のメリットとしては、市町村等が事業主体として、復旧工事を行うため、個人での契約などの手続きが不要であり、工事の品質も確保されます。
司会者農家の皆さんや、地域にとって、国の補助を受けられるメリットがあるのですね。
それでは、災害発生から災害復旧工事に着手するまではどのくらいの期間がかかるのでしょうか。
担当者国の補助金を受けるための必要な手続きや工事発注の手続きがありますので、被害発生から早くて4ヶ月程度で工事にとりかかることになります。
また、早急に工事しなければ、作付けに間に合わない場合や、住民の生活に重大な影響がある場合は、早急にとりかかれるように、市町村にご相談ください。
司会者災害発生から災害復旧工事まで、早急にとりかかれる制度があるのですね。では、具体的には、どのような手続きで災害復旧事業が実施されるのでしょうか。
担当者まず、時間雨量20mm以上の豪雨などの異常な自然現象によって、災害が発生した場合、3週間以内に国に対して被害の種類や被害額の報告をします。その後、県や市町村による詳細な現地調査が行われ、被災状況の把握及び復旧方針の計画を立て、国による「災害査定」を受ける必要があります。災害査定とは、被災した現地等で、被災原因や復旧内容、費用を国に対して説明し、適正な内容か審査を受けることです。災害査定により、国の補助金額が決定し、災害復旧工事を行うことができます。
また、災害査定を受ける前に災害復旧工事に着手できる「査定前着工制度」があります。農作物の生産に重大な支障が生じる場合や、次の大雨等により被害が増大する可能性がある場合、地域住民の生活に重大な影響がある場合、緊急に復旧すれば作付け時期に間に合う場合などには、査定前着工制度を利用することができます。
また、県では、災害発生から早期に復旧を行うために、関係機関で速やかに手続きをとれるよう、マニュアルの作成や災害担当者の研修会等を実施しています。
司会者農家の皆さんのために、各行政機関で手続きを行っているのですね。その他、農家の皆さんに注意してほしい点はありますか。
担当者はい。まず、災害発生時ですが、自分の身の安全確保が最優先になります。最新の災害情報や避難情報を確認し、自分の身を守る行動をお願いします。夜間や降雨時には点検を行わずに、十分に安全が確保された後に、複数の人員で、現地の確認をお願いします。危険ですので、大雨時には河川や水路、ため池には近づかないでください。また、日頃から各種ハザードマップに目を通し、危険箇所や避難経路の確認をお願いします。
災害復旧事業においては、国の補助金を受けるため、県や市町村等が、被災状況の写真を撮り、調査を行いますので、ご理解・ご協力をお願いします。そして、国の補助金を受けた場合でも、一部、農家負担が発生することについても、ご注意願います。
特に、国の災害査定を受ける前に、自分で復旧をした場合や、農業用施設を日常的に維持管理していない場合は、国の補助を受けられない可能性があるので、ご注意願います。
このように注意点もありますので、豪雨や地震のあと、農地や水路等の被害を確認した時点で、市町村にご相談ください。
司会者まずは、自分自身の安全確保を最優先に行動しなくてはいけないですね。そして、農地や水路等の被害を確認したら、速やかに市町村に相談した方がよいということですね。
担当者はい。安全第一でお願いします。
司会者近年、豪雨や地震などの災害が多く起きていますが、田んぼや畑、水路などで被害があった場合に、災害復旧事業の制度を活用できることがわかりました。
日頃から防災意識をもち、適正な維持管理をすることも重要ですね。
今朝は、「農地・農業用施設の災害復旧事業」について、福島県農林水産部 農村基盤整備課 伊藤 正倫(いとう まさみち)さんにお話を伺いました。
ありがとうございました。
担当者ありがとうございました。