南相馬土地改良区の紹介について

【令和6年3月20日】
担当者:南相馬土地改良区 管理主任 渡部美香
司会者:rfcアナウンサー

司会者おはようございます。「農家の皆さんへ」の時間です。
今朝は、土地連だよりをお送りしましょう。
お話は、南相馬土地改良区 管理主任の渡部美香さんです。
渡部さん、おはようございます。

担当者おはようございます。

司会者今朝のお話は、南相馬土地改良区についてご紹介いたします。
初めに、南相馬土地改良区について、ご説明いただけますか。

担当者はい、当土地改良区は、福島県浜通り北部に位置し、南相馬市原町区と飯舘村の一部を受益地として、面積が約2,700ha、組合員数が約2,300名の土地改良区になります。主な管理施設としては原町区馬場地内にある鉄山ダム、飯舘村にある岩部ダムがあります。又、当土地改良区は2011年3月に発生した東日本大震災による被害を受けた農地や土地改良施設の復旧事業についても携わってきました。

司会者甚大な被害を受けたと思いますし、業務上ご苦労された事も多々あったと思いますが、これまでの経過や、13年経過した現在はどのような状況になっていますか。

担当者はい、南相馬土地改良区管内では約600haの農地が、津波被災を受けました。地震による被害で農業用パイプラインが使えないなど水路や道路等の施設復旧の必要もありました。そこで農地を大区画化し、道路や水路を再整備する基盤整備事業を実施しようという事になりました。県営事業により復旧する事となり、津波被災を受けていない山間部の地区も含めて震災後これまでに9地区、震災前からの継続地区1地区、合計約1,160haの農地の基盤整備事業を行ってきています。計画図設計や工事の発注は県が行いますが、土地改良区としては地元農家の意向を工事等に反映させるための取りまとめや、換地といいまして現場の区画形状が変わる事に伴い、地権者の土地を別の場所に再配分する業務等を行っています。

司会者今程10地区、約1,160haの事業を行ってきているという事ですが、工事の進捗はどれぐらいですか。

担当者はい。まず事業は地区ごとに申請して県、国から認可されてから初めて進められるものです。申請するには事業計画に係る地権者への説明や同意も必要ですし、申請計画書の提出までに資料整備期間も含めて2年くらいかかっています。採択されるまでにも一定期間が必要なため、年間1~2地区の申請を行い工事着工は震災後採択で1番早い地区は平成25年、遅い地区は令和2年とバラバラです。そのような状況で工事が完了しているのは400ha程で約4分の1です。

司会者完了している地区は着工時期が早かった地区だと思いますが、面積や工種にもよるでしょうが1地区は何年ぐらいで工事が完了するものですか。又全地区完了するのは何年後になりそうですか。基盤整備というのは難しい工事なのでしょうね。

担当者どの地区も工事に10年前後かかっているのが現状です。現在、令和7年までには全地区完了する予定で事業を進めています。工事は田、畑を大きくし道路や水路を整備する事になりますが、最近はパイプラインといって農業用水を地下埋設したパイプを経由して給水栓から供給する工法が多いです。田にとって水はとても大事ですし、水道のように水を田にかけられる事をイメージして要望される農業担い手の方が多いです。水の使い方、水利系統が変わるので設計、工事を含めて協議しながら進めています。

司会者今農業担い手とおっしゃいましたが、農家、営農者の側からみてこの基盤整備事業の効果はどのようなものでしょう。

担当者自分の農地を自分で耕作する農家が減少している中で、担い手と称する方が大規模に農地を借受して耕作するうえで大事な事の一つに労力の省力化があると思います。田に効率良く水をかけたり、水管理するうえではパイプラインは有効な手段だと思いますし、作業効率が上がったという声もよく聞きます。営農者からの視点とすれば、とても効果的な事業だと思いますし、農地所有者側からみても耕作放棄地が増えることなく安心して担い手に土地を任せられるのではないでしょうか。

司会者今日は、基盤整備事業のお話を主に伺いましたが、南相馬土地改良区としてのこの事業への今後の係り方やその他のお話があれば教えて下さい。

担当者はい。先程令和7年で事業完了というお話をさせて頂きましたが、土地改良区の役割としては農業用水に係る農業用施設の更新も含めた維持管理が主なものになります。どの施設にも耐用年数があり寿命があります。営農者、組合員の視点に立ち、施設維持管理のサポートを続けられればと思います。又当土地改良区では湛水防除施設といいまして海岸部にある排水機場や水門の管理受託を行っており、県、市行政と連係を取りながら湛水被害防止に努めているところです。大規模な事業で完成した優良農地及び営農努力を次世代に継続して引継ぎ続ける事が出来るように努めたいと思いますし、農家組合員皆様のご協力をお願いしたいと思っております。

司会者土地改良区の最新情報については、どこで知ることができますか。

担当者南相馬土地改良区ではホームページを掲載しています。興味のある方はぜひご覧ください。

司会者今朝のお話しは、南相馬土地改良区 管理主任の渡部美香さんでした。ありがとうございました。

担当者ありがとうございました。