大玉土地改良区の紹介について

【令和6年6月29日】
担当者:大玉土地改良区 事務局長 渡邊 浩彰
司会者:rfcアナウンサー

司会者おはようございます。「農家の皆さんへ」の時間です。
今朝は、土地連だより をお送りしましょう。お話は、大玉土地改良区 事務局長の 渡邊 浩彰 さんです。
渡邊さん、おはようございます。

担当者おはようございます。本日はよろしくお願いします。

司会者今朝のお話は、大玉土地改良区についてご紹介いたします。
初めに、大玉土地改良区について、ご説明をお願いします。

担当者はい。大玉土地改良区は、福島県中通り地方のほぼ中央に位置しており、大玉村のほぼ全域と本宮市の一部を受益とする水田地帯です。地域内の水田は、安達太良山を水源とする阿武隈川水系の安達太良川、百日川、杉田川の3つの河川に設置された頭首工から取水しており、幹線用水路を経て地域内の水田を潤しています。
大玉土地改良区で維持管理している農業水利施設は、ダム、溜池、頭首工、揚水機、幹線用水路となっており、福島県知事から「維持管理計画書」の認可を受けて農業水利施設の維持管理事業を行っています。

司会者農業水利施設には、どのようなものがありますか。

担当者はい。大玉土地改良区で管理している一番大きな施設は「三ツ森溜池」という農業用ダムで、貯水量66万6千トン、受益面積700ヘクタールを誇る基幹施設となっています。「三ツ森溜池」はアースダムと呼ばれる型式のダムで、土を台形に盛って造ったダムになります。

司会者ダムの歴史について詳しくお話しいただけますか。

担当者大玉村と本宮市は稲作が中心の農業地域ですので、戦前の食糧難の時代は水不足が深刻で、水争いが発生していました。水問題の解決と水源の確保を目的に昭和7年に「三ツ森溜池」の造成工事が始まり、昭和14年に完成しています。当時としては県内で最大規模の農業用ダムで、現在まで85年にわたり地域の田んぼを潤してきた重要なダムとなっています。

司会者長い歴史のあるダムですね。土地改良区でも管理して行く中でいろいろと苦労があるようですね。

担当者はい。3.11の東日本大震災では、「三ツ森溜池」のダム本体に大きな亀裂が入る重大な被害が発生しました。震災の時期はダムが満水でしたので、下流住民に一時避難指示が出る事態となり、安全が確認できるまでの数日間は、24時間体制で監視するなど苦労しました。
ダムを修復するために、すぐに災害復旧工事が開始されましたが、工事中は水を溜めることができず、水の確保が心配されました。幸いにも、工事期間中は定期的に雨が降ったので、何とか乗り切ることが出来ました。
平成27年に災害復旧工事が完成してからは、農業用水が安定して供給されるようになりました。

司会者大変な苦労があったようですね。ダムを管理する上で何か取り組みされていることはありますか。

担当者はい。10年ほど前から地元小学校の4年生児童を対象に、「三ツ森溜池」の施設見学会を毎年開催しています。

司会者見学会での子供たちの様子はいかがですか。

担当者子供たちの多くは「三ツ森溜池」を見ることが初めてで、スクールバスでダムに到着すると、目を輝かせて大きなダムを見学する様子は、私たちも毎年とても楽しみです。
見学会では大きなパネルを使って「三ツ森溜池」の役割や水の大切さについてクイズも交えて学習してもらっています。
昨年度は、県の「水土里(みどり)を育む普及促進事業」を活用して、バーチャルツアー動画を作成し、子供たちへ動画を配布する事業を行いました。

司会者子供たちが楽しく学習できそうな取り組みですね。バーチャルツアー動画とはどのようなものですか。

担当者はい。見学会当日は大玉村役場の職員の皆様にもご協力いただき、ドローンでの空撮を見学してもらいました。また、ダムの管理や測量の疑似体験のとして、3Dスキャンカメラと360°カメラを子供たちに撮影してもらいました。この子供たちが撮影した画像と、ドローンでの空撮を合成して、パソコン上で「三ツ森溜池」の見学ができるバーチャルツアーを作ったところです。
子供たちは、ドローンの飛行見学や最新カメラ機器の撮影に興味津々で、学校や教育委員会からも好評をいただきました。将来に向けた農業への関心と、地元の歴史あるダムを守っていくため、これからも農業水利施設の維持管理に努力していきたいと思います。

司会者今朝のお話しは、大玉土地改良区 事務局長の 渡邊 浩彰 さんでした。ありがとうございました。

担当者ありがとうございました。