福島県中通り地方北部の阿武隈川右岸に広がる大地に点在する地域を、かつて東根郷と呼んだ。この土地の灌漑は、水を通すのに、山のふもとをうまく利用し、いったん川下の方に出ながら、さらに川上の方に水をまわす工夫をしたので、「伊達の逆さ水」とも呼ばれています。

どうして造られたの?

伊達東根郷の地は古来水利の便に乏しく、わずかに溜め池の構築等により辛うじて灌漑の用にあてているに過ぎなかった。そのため農民は多年に亘って旱魃の厄に苦しむ事が常であった。
今を去ること400年前の慶長3年当時の領主、上杉景勝侯の家臣渡辺新左衛門と堀江与五右衛門の両名により広瀬川より取水する砂子堰疏水工事に着手、幾多の苦難の末、同9年延長16キロメートルの用水路を完成した。
北流する広瀬川から南方向へ水を引いたため「伊達の逆さ水」と称されています。
しかし、東根堰郷全体を干害から守るには広瀬川の水量では間に合わず、その後明治15年砂子堰の大修理を着工し明治23年に完成しました。

とは…川から水を引き入れるために川をせき止める構造物

どんな苦労があったの?

ファンドールン氏の写真

ファンドールン氏

明治10年、当時全国の港湾、河川工事の達成のため内務省より依頼を受け来日し、奥松島野蒜築港測量に従事中のオランダ人長工師ファンドールン氏(安積疏水の設計者)を派遣。測量調査結果では自然取り入れは到底見込みなしとの復命がなされ、同時にポンプ揚水としてはどうかとの提言があった。
明治40年、多年に渉る懸案は電力利用による揚水計画によって急速な解決をするに至った。

どんな施設なの?

総延長27.6キロメートル、受益面積846ヘクタールに及ぶ沃野を潤している。

ポンプ揚水の様子

そのあとどうなったの?

昭和10年5月福島市渡利地内の東北電力信夫発電所ダムより阿武隈川の水を自然流入の方法で取水する工事がはじめられました。

この事業は幾多難航を極めましたが、昭和19年5月に完成し、東根郷の水不足は一挙に解決を見るに至り、この用水路が東根堰です。
東北電力信夫発電所ダムの写真

どこにあるの?

東根堰は、福島県福島市瀬上に、砂子堰は福島市伊達郡霊山町にあります。また、東北電力信夫発電所ダムは福島市渡利にあります。

どうやって行くの?

車で

東根堰は福島西インター下車、R4号を仙台方面へ
砂子堰は福島西インター下車、R4号からR115へ
東北電力信夫発電所ダムはR114を川俣方面へ約20分

列車・バスで

東根堰は阿武隈急行瀬上駅から北へすぐ
砂子堰は阿武隈急行保原駅下車後、バス移動
JRバス川俣行き前河原停留所下車 徒歩15分

アクセスマップ


より大きな地図で 水土里の案内人 を表示

水土里の案内人さ~ん!

水土里の案内人イメージ写真

申込及び問い合わせ先:東根堰土地改良区

〒960-0634
福島県伊達市保原町大泉字大地内128-2

TEL:024-576-2366(FAXも同)
案内人からのメッセージ
東北電力信夫発電所への道路は幅が狭いためマイクロバス程度までは可。

付近のみどころ