「農山漁村地域力発掘支援モデル事業」について
あすまの里「荒井」づくり地域協議会
【平成21年2月25日ラジオ放送】
担当者:あづまの里「荒井」づくり地域協議会 幹事長 宍戸 一照
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、ふるさと(農山漁村)地域力発掘支援モデル事業について紹介します。
お話は、福島市荒井の活動組織、あづまの里「荒井」づくり地域協議会 幹事長の宍戸一照さんにお伺いします。
はじめに、ふるさと地域力発掘支援モデル事業とはどのような内容でしょうか。
担当者
この事業では、農山漁村をふるさとと読み替えておりますように、われわれ日本人の心の原点となります農村山村漁村には、特色ある自然、古農家など建築物施設の有形な資源、無形の祭りや伝統文化など固有の地域資源が埋もれ、忘れ去られようとしております。
それらは、私たちの住む農村地帯で申し上げるなら、若者の都会への流失、高齢化による農業従事者の減少と遊休耕作地の増加から集落機能の低下、さらに中山間地帯の荒廃による地域生活環境の保全が困難となってきていることはご承知のとおりであります。またそれが広く地域力の減退となっております。
そこで、ふるさとにある有形無形の地域資源と、それを活用し地域づくりを行う人材・地域協議会を「地域力」として捉え、これらをもう一度見直し発掘して活用する、ふるさとの魅力づくりの立ち上がりを国が直接支援することで、持続可能で活力あるふるさとの実現を目指す事業でございます。
司会者
農村地域の活性化と持続が目的と伺いますが、人材と地域協議会が重要な役割を担っているようですが、もう少し具体的に教えてください。
担当者
先ほど話しましたが、農村は様々問題に直面しております。しかし農村の果たす役割が極めて重要であるとの認識から、何とか蘇らせようと各地で様々な取り組みがすすめられ、公的な支援も受けております。この事業の特色は、地域のお宝つまり地域資源は何かと見つめ、お宝をどう生かすか、そして人材、地域づくりをどう組み込んでいくかを地域協議会で主体的に話し合い、5年間を区切りとして活動目標を決めた「ふるさとづくり計画」を作成します。そしてこの計画により実践活動を行い、地域の経済活動の活性化、都市と農村の交流促進などにより、地域の自立を目指します。毎年その結果を自ら評価検証し、計画の見直しをかけながら国に報告し、事業を進めていきます。この事業実施期間は平成20年度より平成24年度までとなります。
司会者
それでは、あづまの里「荒井」づくり地域協議会が取り組む地域の課題について教えてください。
担当者
福島市荒井地区は、市西部地域に位置し清流荒川により形成された扇状地にあり、国道115号線が縦断して土湯温泉に接しております。観光施設四季の里、アンナガーデン、あづま運動公園、陸上自衛隊、畜産試験センター、県警機動センター、県消防学校など観光、公共施設が多数あり、また115号線沿いは街区が整備されて新しく市街地が形成されています。
しかし荒井地区の主産業は農業で、畑地の割合が多く果樹、小菊、米が主産品となっています。諸施設と集落は調和共存し、優良農地が広く連たんしていますが、農業者の高齢化と後継者難で遊休農地化が除々に進行して、地域力が衰退しております。
一方市内有数の恵まれた観光立地にありまして、地域特性を生かした優良な果樹農家は一部おりますが、地域ブランド力は十分ではないと思われます。
また、本市の観光振興からも農地による景観形成推進は、重要な意味を持ちます。
司会者
福島市が観光圏認定されたことにより、今後滞在型観光客が増加すると予想されますね。
観光と農業など地域資源との連携が重要になってきますが、地域協議会の「ふるさとづくり計画」についてお聞きします。
担当者
私たち荒井地区住民、観光施設の四季の里、土湯温泉観光協会、福島市が構成会員となりまして、あづまの里「荒井」元気にすっぺ!のキャッチフレーズで5つの柱からの「ふるさとづくり計画」を作成しました。
1.遊休農地を活用した景観形成作物、蕎麦、菜の花の栽培と特産品づくり
2.空農家を活用した活動拠点整備と農業、自然体験活動の確立と受け入れ
3.四季の里を拠点とする農業、観光、自然など地域資源との連携事業の推進
4.ITによる地域特産品、イベント、情報の発信とファンの獲得
5.農山漁村子どもプロジェクトの受け入れ体制整備 であります。
これらの実践活動から持続的に自立した地域づくりを進め、あづまの里「荒井」の地域ブランドを確立して活性化した農村地域を目指すと共に、この地域の美しい自然環境を後世に伝えたいと考えています。