桑折町多面的機能支払交付金広域協定の活動について

【令和5年2月22日】
担当者:広域協定事務局 石川 博利
司会者:rfcアナウンサー

司会者おはようございます。「農家の皆さん」の時間です。
今朝は、土地連だより をお送りしましょう。
お話は、令和4年度 福島県多面的機能支払交付金推進協議会優良活動組織表彰 福島県知事賞を受賞した、桑折町多面的機能支払交付金広域協定 事務局の石川博利さんです。
石川さん、おはようございます。

担当者おはようございます。

司会者初めに、桑折町多面的機能支払交付金広域協定について、ご説明いただけますか。

担当者はい、桑折町多面的機能支払交付金広域協定は、県内でも多くの組織が取り組んでいます、多面的機能支払交付金を活用し、農地・農業施設の維持や農業農村の多面的機能発揮のため、地域で行う共同活動に取り組んでいる組織です。特徴としては広域活動組織であること思います。

司会者広域活動組織は、どんな特徴があるのでしょうか。

担当者はい、この活動は1~数集落で事業に取り組んでいる組織が多いと思います。県内には1300以上の活動組織がありますが、広域活動組織は、まだ16組織です。広域活動組織は、複数の単独組織が統合した組織や、町村の広範囲に渡る組織となり、活動する人数や活動範囲が広いのが特徴です。
私達の組織は、平成30年4月に既存の9組織、新規の1組織、そして、土地改良区の11の構成員により広域活動組織を設立しました。
その後、新設の組織も加わり、現在の対象面積は、水田209ha、畑88ha、合計297ha、構成人数は821人です。そして、土地改良区が事務局として事務を取り纏めています。対象面積は決して大きい組織ではありませんが、それぞれ、地域特性に併せた活動に取り組んでいます。
なお、小規模な組織の場合、活動内容によっては、交付金が不足を来す場合がありますが、広域活動組織の場合、交付金は全体で使用が可能であるため、活動資金に融通が利くことも特徴であると思います。

司会者それでは、広域活動組織の設立経緯について、お話いただけますか。

担当者はい、多面的機能支払交付金による事業は、農家が中心となって、活動計画に沿って活動を行い、その結果を報告書にまとめて町に提出します。
国や県も報告様式の簡素化等により負担の軽減を図っていますが、パソコンによる作成には得意、不得意があって、事務担当者の負担が大きくなる場合があります。土地改良区が事務局となることで、事務作業の支援を行うことが可能となります。
また、桑折町の組織は、農地維持活動のみに取り組んでいましたが、山間地に隣接する組織は、獣害による被害防止や耕作放棄地防止に苦慮していました。そのため、広域活動組織化に併せて、資源向上活動に取り組むことで、対策の強化を計ることが可能となると考えました。また、組織によっては、農村環境の向上として、農地に隣接する場所に植栽の取組を行うこととしましたが、地域の高齢者が率先して活動に参加する意向もありました。

司会者広域活動組織にすることで、組織のメリットとなることが多いんですね。では、農地維持活動と資源向上活動についてもう少しお話いただけますか。

担当者はい、多面的機能支払交付金の農地維持活動は、基礎的な活動として、農地の多面的機能を支えることで農地集積を後押しすることを目的としています。具体的には、水路の泥上げや農地、水路、道路等の草刈作業があります。また、台風等による被害の見回りや、施設の点検作業等も行います。

司会者農家の方が普段行っている活動のようですね。

担当者はい、特別な活動では無いですが、担い手に集中すると、行き届かなくなりますので、農家が共同活動として支えようとする活動です。そして、資源向上活動は、農地や水路・農道等を地域資源として質の向上を図ろうとする活動で、水路等の軽微な補修や植栽等による景観形成や先ほど申し上げた、鳥獣害防止対策や定期的な水質調査等様々な活動があります。
最近では、田んぼダムの取り組みも始まっています。

司会者大変活動内容の種類が多そうですね。桑折町多面的機能支払交付金広域協定では、資源向上活動として、どんな活動に取り組んでいるんですか。

担当者はい、比較的平地の場所では、景観形成として植栽に取り組んでいます。以前から地域で取り組んでいた組織もありますが、新たに高齢者が取り組むことで、健康増進にも繋がるのではないかと感じています。
それから、水路の軽微な補修として、目地補修による漏水対策や、未整備の水路をコンクリート製の水路にする工事を自分たちが機械を使って直営施行により実施しています。

司会者水路工事までするんですね。

担当者大規模な工事は無理ですが、農作業に使用するバックホウ等を使って工事を行います。また、山間地では、イノシシや熊による獣害被害が発生し、補助などにより、防護柵を設置しているところもありますので、定期的な補修や周辺の草刈等は継続して実施する必要があります。
集落周辺に耕作放棄地があり草が繁茂すると、イノシシの隠れ場所や害虫が発生してしまいますので、そのような場所の草刈も大切な活動になります。
また、先ほど申し上げた、田んぼダムについては、桑折町でも台風による被害が発生していますので、流域治水の取組とて感心も高いため、小規模ですが取り組んでいます。これは、実際に田んぼダム用の機器を設置して、設置の方法や年間をとおした操作により、今後、取組を増やした場合の問題点等を検証することを目的に実施しました。

司会者様々な取組が評価されて、優良活動組織として、福島県知事賞を受賞したことがわかりました。今後はどの様な活動に取り組んで行くのでしょうか。

担当者はい、この活動は継続していくことが重要だと思います。全国的な農村の高齢化により活動が不可能となることが懸念されています。
また、桑折町でもまだ活動組織が無い地域もありますので、町全体で活動に取り組むことも大切と思っています。広域活動組織は、新たに活動に参加することが、比較的容易であることもメリットです。
土地改良区としても、農家の方が安心して農作業が出来るように、農地の保全や良好な農業施設の維持管理が出来るように、事務局として、力を尽くしたいと思っています。

司会者今朝のお話は桑折町多面的機能支払交付金広域協定 事務局の石川博利さんでした。ありがとうございました。