「にしあいづ水土里環境委員会の取り組み」について

【平成25年10月23日ラジオ放送】

担当者:西会津町 農林振興課 濱田 千俊
司会者:RFCアナウンサー

司会者

農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「にしあいづ水土里環境委員会の取り組み」についてお話しを伺いたいと思います。お話しは、西会津町 農林振興課の濱田 千俊さんです。
まず、西会津町について教えてください。

担当者

西会津町について簡単に説明します。
西会津町は、福島県の北西部に位置し、新潟県境にあるため会津の西の玄関口と呼ばれています。周囲を山に囲まれ、北側は飯豊連峰に接し、町の中央には阿賀川が流れています。町の主幹産業は農業で、水稲が中心でおいしいお米の産地でもあり、また野菜では健康な土づくりを基本とした「ミネラル栽培」に取り組んでいます。

司会者

西会津町の活動組織である「にしあいづ水・土・里環境委員会について紹介してください。

担当者

それでは、「にしあいづ水・土・里環境委員会」について紹介します。
町では、都市部への人口流出による過疎化と40パーセントを超える高い高齢化率などを原因とした集落機能の低下により、農地や農業用水など資源の保全・管理が困難な地域が発生しています。
そのため町では農地・水保全管理支払交付金の事業を活用し、平成19年度に活動組織「にしあいづ水・土・里環境委員会」を設立しました。
にしあいづ水・土・里環境委員会は1つの活動組織で西会津町内全域を対象に取り組みを行っている全国的にみても非常に珍しい例になります。

司会者

にしあいづ水・土・里環境委員会が西会津町全域を対象区域としたいきさつについてお話ください。

担当者

この事業がスタートする前年、町としてどのように取り組んでいくか、様々な活動形態を想定して検討を行いました。その結果、農業用施設などの資源や農村住環境の整備・保全、町全体の農業の振興という目的を達成するためには集落ごとの点的な取り組みではなく、町全体での広域的な活動が必要という結論に至り、町内全域を対象とした1つの活動組織を立ち上げることとなりました。

司会者

主な活動内容を教えてください。

担当者

活動内容ですが、大きく「基本事業」と「重点事業」の2つに分かれます。
「基本事業」は各自治区において従来の活動でもある農地や集落周りの農道・水路・ため池の見まわり点検、草刈り、泥上げ、砂利の補充など基本的な維持・保全活動を実施しています。
この活動は町内の全90集落を対象に取り組んでおり、農地のない住宅地などでも行っています。
「重点事業」は希望集落の提案型で実施しており、農地・農道・水路・ため池など農業資源の長寿命化を目的としたより高い保全活動や、遊休農地への花の植栽など生態系保全、資源循環、景観の形成等環境に関する活動も行っています。

司会者

にしあいづ水・土・里環境委員会の事業の実施体制についてお話ください。

担当者

はい。活動構成団体として、町内の全集落、農業委員会、土地改良区、農協、森林組合などが所属しています。事務局は西会津町土地改良区内にあり、事業内容を調整する会議の開催や資材の発注、事業費の支払いなどを行っています。また事業実施にあたっては町が支援し、活動内容などについての助言を行っています。

司会者

1町村1活動組織として取り組んでいる利点を教えてください。

担当者

まず、農地や農道、水路、ため池などの農業資源の保全・管理や長寿命化の活動を広域的に取り組むことができ、町全体の農業の振興にもつながることとなります。
次に、農地がない住宅地などでもこの事業の恩恵を受けることができます。またこのことにより、農業者だけでなく農業をやっていない方や関係団体と一体化した共同活動により、町全体の生活環境の向上に取り組むことができます。
また、従来から行ってきた農道の草刈りや水路の泥上げなどの作業を農地・水保全管理支払交付金に組み込むことにより、生活環境保全活動を行いながら、地域コミュニティのつながりを保つことができます。

司会者

最後に一言あれば、お願いできますか。

担当者

今年度はにしあいづ水・土・里環境委員会を設立し、農地・水保全管理支払交付金事業をスタートしてから7年目となります。これからも、農業施設の長寿命化を図り、地域の環境を町全体で守る取り組みを行っていきます。