「農業水利施設の維持管理と安全対策について」

【令和8年5月20日】
担当者:福島県農林水産部 農地管理課  大和田秀平
司会者:rfcアナウンサー

司会者 今朝の土地連だよりは、「農業水利施設の維持管理と安全対策」について、福島県農林水産部農地管理課の大和田秀平(おおわだしゅうへい)さんにお話しを伺います。
まず、「農業水利施設」とは、どのようなものかご説明をお願いします。

担当者それでは、農業水利施設について説明します。
農業水利施設というのは、田んぼや畑で使う農業用の水を供給したり、使わない水を流したりする施設です。例えば、農業用の水を貯めておくダムやため池、川から水を取り入れるための取水堰やポンプ、田んぼに水を取り入れる用水路、田んぼや畑からの水を川に流す排水路などがあります。
県内には、このような施設が約7,000箇所あり、田んぼや畑に農業用の水を安定に供給し、作物の品質と収穫を確保するうえで、とても大切な役割を果しています。
また、農業以外にも防火用水や生活排水、降雪地帯では、雪を流すためにも活用されるなど、私たちの生活環境に密接に関わっています。

司会者それだけ多くの農業水利施設は、どのように管理されているのでしょうか?

担当者 農業水利施設は、市町村や土地改良区が管理をしていますが、多くは地元の水利組合や集落、関係する農家の方が、草刈りや土砂上げ、水門の操作などの日常的な維持管理を行っています。
県では、農作業の準備が始まる4月を「施設管理強化月間」に位置づけて、管理者自身による農業水利施設の点検をお願いしています。
特に、ため池は、決壊した際の下流への影響が非常に大きいことから、梅雨時期を迎える前に、堤の斜面の崩落や、水の染み出しがないか、洪水吐に流木が引っ掛かってないかなど、今一度点検をお願いします。また、いつでも堤の状況を確認できるよう、定期的な草刈りもお願いします。

司会者 ところで、ため池や水路での事故について報道されることがありますが、どのような状況で発生するのでしょうか?

担当者 季節が暖かくなると、水辺で遊ぶ子供たちが増えるため、ため池で遊んでいて足を滑らせ深みにはまってしまう事故や、施設を管理する農家の方が見回りや点検の際に、ため池や水路に転落して尊い命を落とすといった痛ましい事故が、残念ながら毎年のように発生しています。
その原因は、子供の場合、危険な場所だという認識がないまま、釣りなどの遊びで、ため池や水路の近づいてしまうことが考えられます。
また、農業水利施設の見回り時の事故は、台風などの大雨や洪水の時に多く発生しており、普段より増水した現場で足を滑らせ水路に転落してしまうと考えられます。

司会者それらの事故を防ぐためには、どのような対策が必要ですか?

担当者まず、ため池や水路で遊んでいる子供たちを見かけたら、危険であるとの声をかけたり、学校や地域で大人が危険個所を確認して、子供たちに教えて注意するといった、普段からの地域ぐるみでの安全啓発活動が重要です。
次に、農業水利施設の点検や見回りは、大雨や洪水の時には決して行わないことです。どうしても点検や見回りが必要な場合には、決して一人では行かず、必ず複数人で行うようにしてください。
また、できる限り、ライフジャケットやヘルメットなどの安全具の着用をお願いします。

司会者 それでは、農業水利施設の管理者の皆さんが、事故を未然に防ぐためにはどのようなことをすればよいのでしょうか?

担当者 地域の広報誌を活用して危険個所を周知する、注意喚起の立看板を設置する、侵入防止あるいは転落防止用の柵を設置することも有効な手段だと思います。
農業水利施設を利用するための維持管理に加え、事故防止のために地域や関係機関と連携して、安全面の管理を徹底するようお願いします。

司会者 安全管理のための柵の設置などについては、費用の面もあって簡単には出来ないと思いますが、どのような支援がありますか?

担当者 通学路や避難経路に隣接した農業用水路などでは、国の補助事業を活用して、転落防止柵の設置や水路の蓋掛けなどの安全対策を実施することができるケースもありますので、市町村や土地改良区、お近くの県の農林事務所農村整備部にお問い合わせください。

司会者 今朝の土地連だよりは、「農業水利施設の維持管理と安全対策」について、福島県農林水産部農地管理課の大和田秀平(おおわだしゅうへい)さんにお話しを伺いました。
ありがとうございました。

担当者 ありがとうございました。