平成31年度福島県の農業農村整備事業の概要について
【平成31年4月26日ラジオ放送】
担当者:福島県農林水産部農村計画課 主査 渡邉 泰
司会者:RFCアナウンサー
司会者
農家の皆さん、おはようございます。
今朝の土地連だよりは、「平成31年度福島県の農業農村整備事業の概要について、福島県農林水産部 農村計画課の渡邉泰さんにお話しを伺います。
担当者
おはようございます!よろしくお願いします。
司会者
まず、はじめに、農業農村整備事業とはどのようなものなのかを教えてください。
担当者
はい。
農業農村整備事業とは、以前は「土地改良事業」と呼ばれていたもので、農作物を育てるのに必要な水の確保と効率的で安定した農業経営を行うためのほ場整備などのほか、農村地域の汚水処理施設や農道など農村の生活環境整備、近年増えているゲリラ豪雨から農地を守るための排水施設の整備などを行っています。
また、こうした事業を通して、災害を防いで国土を守る役割も担っています。
司会者
農業農村整備事業は、農村地域には不可欠な事業なのですね。
さて、今年は東日本大震災から8年を経過し9年目を迎えました。
農村地域へも甚大な被害が発生しましたが、復旧・復興はどのぐらい進んでいるんでしょうか。
担当者
はい。
東日本大震災では、県内の農地・堤防・排水ポンプ場や水路など約4,300箇所で被害を受け、その被害額は農地・農業用施設だけでも約2,300億円にのぼりました。
震災から8年が経過した現在も、福島第一原子力発電所の事故の影響で避難指示区域の一部では被害調査もできない状況ですが、そうした地域も含めて、平成30年度末時点で、約9割の復旧・復興工事を発注し、約8割の工事が完了しています。
また、災害復旧と一体的に農地を大きくするほ場整備も県内各地で実施しており、その一部では営農が再開されています。
被害の大きかった浜通りでも、復旧工事が進んでいる地域では徐々に営農が再開されるなど、復興状況が形として見えはじめ、地域に明るい光が差し始めていると実感しています。
司会者
なるほど、約8割の災害復旧が完了しているということですね。
震災前よりも大きな田んぼでの営農再開という明るいニュースもあり、福島の復興は、今後、ますます加速していきますね。
こうした復旧・復興事業を進めるためには多くの予算が必要になると思いますが、平成31年度の予算の状況を教えてください。
担当者
はい。
平成31年度の県の農業農村整備事業は、当初予算として、約317億円を計上しています。
この予算は、震災前の平成22年度予算と比べて約1.4倍の予算額となっています。
司会者
約317億円とは、農業農村整備事業の予算額はとても大きいのですね。
このように事業予算の額が多いと、職員の皆さんは大変ではないですか。
地震・津波被害を受けた地方公共団体では、急激な復旧工事の増加へ対応する職員数が足りないと聞きます。
福島県はどうなのでしょうか。
担当者
はい。
震災以降、職員が不足している状況が続いています。
そこで、継続して全国各地から農業土木技術職員の派遣支援を受け、特に被害の大きかった浜通りの相双農林事務所で復旧・復興業務にあたっていただいております。今年度は、13名の派遣支援を受けています。
このほかにも、相双地方の市と町へは、農林水産省の出先機関から農業土木技術職員を派遣していただき、復旧・復興の大きな力となっています。
派遣職員の皆さんは、ふるさとを離れ、家族と離れて、不便な生活を送りながらも、懸命に復旧・復興業務にあたっていただいており、このような全国からの温かいご支援に対し、心より感謝申し上げます。
また、支援に頼るばかりでなく、県でも多くの職員を募集しています。
今年度は新規採用農業土木職員を4名採用し、来年度も採用を予定しています。
今年度の採用候補者試験の、受付期間は4月16日から5月24日まで、1次試験は6月23日(日)となっておりますので、福島の復旧・復興を進めたいという熱い気持ちをお持ちの方は、ぜひお申し込みいただくとともに、この放送をお聞きの皆様も身近な方に、県の職員採用試験に挑戦していただくようお声がけをお願いします。
司会者
長期にわたって、全国の農業土木職員の皆さんに支援に来ていただいていることを知り、私も心強く感じています。
こうした支援をいただくとともに、福島県でも職員を増やしているとのことでしたが、多くの方々を新たに職員として迎えることができるといいですね。
また、先ほど復旧・復興工事のおよそ約8割が完了しているとのことでしたが、今後の見通しはどうでしょうか。
担当者はい。
避難指示区域外については、平成32年度までに工事完了させることを目指し事業を進めております。
今後は、避難指示が解除された地域の営農再開を図るため、各市町村と連携を図りながら復旧、復興を進めていきます。
本県の農業は原発事故以降、風評による農産物価格の低迷や取引量の減少など、依然厳しい環境にありますが、避難指示区域も含めた被災地域の農業が復興し、より多くの笑顔が戻るよう、私たちは「今日の努力は笑顔あふれる農空間復興のために」を合言葉に、今後も復旧・復興事業を進めてまいります。
司会者ありがとうございました。
福島県に全国からの派遣されている皆様、私も県民のひとりとして感謝いたします。
お体に気を付けながら、業務に取組んでいただければと思います。
今朝は、「平成31年度農業農村整備事業の概要」について、福島県農林水産部農村計画課の渡邉泰さんにお話を伺いました。